「学びを活きた力に変える」新入社員研修報告

掲載日:2018年5月18日

JAGATは4月3日~5月11日の期間で、東京会場および大阪会場で2018年度の新入社員研修を開催した。

東京会場では、「新入社員養成講座」(67名)「印刷製作入門講座(講義編)」(95名)「印刷製作入門講座(実技編)」(45名)「人間関係と仕事が上手くいくコミュニケーション講座」(38名)、「印刷業界で成果を出すための働き方」(25名)、大阪会場では「新入社員養成基礎講座」(38名)を実施した。※(  )内は参加者数 東京会場で行われた研修の様子をレポートする。

■コミュニケーション力と目標達成意識を育てる。

JAGATの新入社員研修では、社会人として必要な基礎力として「ビジネスマナー」と「コミュニケーション力」の習得に重点がおかれている。組織におけるコミュニケーションの重要さはますます高まってきており、今回、「人間関係と仕事が上手くいくコミュニケーション講座」の参加者数は過去最高に達した。
より良い人間関係を築き、良い成果を生み出せるようになるには、新人のうちからコミュニケーション力を養うことが必要だ。講座では、仕事を進める上でのコミュニケーションの取り方、「聞き上手」になるコツ、自分の個性を知り、強みとして活かす方法などを学び、後半は「質問」「提案」「要望」などのテーマに、実践的なワーク形式で取り組む。ワークは主に参加者同士の対話を中心に進められる。自分を知り、相手を知り、コミュニケーションの基本を少しずつ体得してもらう。

さらに今年から「目標達成意識を育てる」というテーマで「印刷業界で成果を出すための働き方」が新人研修に加わった。学生と社会人の大きな違いは、組織の一員として「結果」を出すことが求められることにある。印刷会社の社員として、何を考え、どう行動すれば、社内外からの信頼を得ることができるのか。組織に対して、何を与えることが出来るのか。様々な問いが投げかけられ、参加者ひとりひとりが自分の将来を描きながら回答を探す。
これから働き始める新入社員に、「結果を出すとはどういうことなのか」を考えてもらい、目標達成への意識を育むことを目指している。

参加した新入社員たちからは様々な感想が寄せられた。
・成果を出すためには、能力だけでなく人間性、そして周囲とより良い関係を築いていくことが大切だと分かった。
・仕事を長いスパンで考えられるかどうか、続けることの意味、そのためのセルフコントロールのあり方などを考える機会になった。
・新人でいる間に何をするか、何を身につけるか、など具体的なヒントをもらった。
・新人として自分の役割を果たすだけでなく、会社全体にとって何が出来るかという意識を持つことが重要だと気づかされた。

■撮影~DTP~印刷までの作品制作を3日間で体験する実技研修

印刷物の製造工程の知識習得を目的とする「印刷製作入門講座」は、講義編と実技研修編に分かれている。3日間の実技研修編では、今回から新たに、DTP制作実習で作成した課題作品を自ら印刷する「作品制作」にチャレンジしてもらった。Macや印刷機を操作しながら、撮影、画像処理、デザイン、DTP作業、印刷までの工程を一通り体験する。
DTPや製造現場を経験したことがない参加者も、作品づくりを通して、印刷工程の全体像に触れることができる。こうした経験は職種に関係なく、例えば営業職であれば、刷り出しや校正時のチェック等、後々役立つはずである。
受講者の感想からも、未経験だったDTP制作や普段触れることのない製造現場での体験に接し、印刷物への興味を深めたようだ。

・DTPから印刷までの流れを一度に経験したことにより、DTP制作の段階で、より完成度の高いデータを作らなければ、印刷物の仕上がりにも影響があることを実感できた。
・印刷工程では、作業の数が多く覚えるのが大変だったが、ひとつひとつに細やかなこだわりがつめこまれていて、印刷物はこのような緻密な作業から生まれてくるのかと感動した。
・講義ではイメージでしかつかめていなかった印刷物が出来るまでの全体像が具体的に分かり、自分で機械を操作して、印刷物の完成を確認できたのは良い経験になった。
・DTPは初心者だったが、練習用に様々なサンプルが用意されていたため、理解しやすかった。

「印刷製作入門講座」は講義、実技とも長時間にわたる研修であり、網羅すべき分野も多岐にわたる。一朝一夕にすべてをマスターすることは難しいが、この期間に学んだこと、見て覚えたことを、それぞれの現場における日々の業務の中で振り返りながら、今後少しずつ活用していっていただきたい。

JAGAT CS部  原 淳子