印刷会社の提案営業を習得する

掲載日:2023年9月1日

 

去る8月22日~23日に、生産性向上支援訓練の2日間集中講座「印刷営業の基礎知識と提案力向上」をオンラインで開催した。印刷営業の基礎知識と提案営業の基本プロセスを学び、顧客の課題解決のための提案営業の習得を目指し、全国から新人・若手の営業担当者を中心に15名が参加し、高い満足度を得た。

JAGATは「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」が実施する「生産性向上支援訓練」の事業取組団体として認定され、印刷業界に特化した研修を提供している。今回の訓練プログラム「印刷営業の基礎知識と提案力向上」では、印刷会社での経営企画、人事、法人営業の実務経験を持つOD人事経営コンサルティング代表の上妻祐司氏が務めた。

印刷営業の目的と役割、必要な要素

受講者はまず環境が変化する印刷業の特徴としくみを学ぶ。現代にふさわしい印刷営業が持つべき知識、提案営業の目的や役割、印刷物発注担当者が求める要素について理解を深めた。新規開拓営業と既存顧客への提案営業の違いも明らかにされ、提案営業のメリットを認識できた。上妻氏からは自身の経験を基にした事例も紹介され、受講者には説得力のあるメッセージとなった。

実践を通してニーズの引き出し方を会得する

講義は具体的な提案営業の手法、必要な情報収集と仮説の立て方に移る。仮説を立てて、傾聴スキル、質問スキルを駆使して顧客のニーズを顕在化させる。受講者はペアセッションで顧客と営業役に分かれ、具体的にニーズと問題点を引き出すロールプレイングを通じて実践的なスキルを磨いた。セッション後はお互いのフィードバックを行う。受講者は緊張がほぐれたのか、時折笑顔が見られた。

情報分析と課題解決の提案

課題を聞き出すだけでは意味がない。それを解決するアイデアを絞りださなければならない。自社の強みや環境を分析して、課題解決に必要な要素を検討する効果的な提案書の構成やポイントが解説された。そして事例をもとに課題解決策を考え、提案書を作成するグループワークを実施する。今回は介護サービス会社への提案が全員の共通事例として示された。課題を読み合わせするグループ、しばらく熟考するグループ、とりあえずアイデアを文字に起こしてみるグループなど始動はさまざまだ。

プレゼンテーションの実践力を高める


素晴らしい提案書でも顧客に伝わらなければ骨折り損だ。提案内容を理解、納得してもらうためのプレゼンテーションスキル、クロージング話法を学び、再びグループに戻ってトレーニングを行う。提案する受講者の表情とアクションにも自然と力が入る。フィードバックの後はいよいよ実践だ。グループワークで作成した資料をもとに、新しいグループでプレゼンテーションを行った。一緒に提案資料を作ったグループの前での発表とは勝手が違う。トレーニングの成果を出せた人もいれば、言葉が続かない人もいる。受講者は緊張感を持ったプレゼンテーションを通じて実践力を高めた。

効果的な提案ができるように


本講座で受講者は印刷営業の知識から始まり、顧客ニーズの把握、効果的な提案書の作成、プレゼンテーションまで幅広いスキルを習得した。2日間集中講座でグループワークも多く、他社との意見交換の機会も得て、受講者の満足度は高い。「最初から最後まで自分で考えるという経験を実際の業務に生かしていきたい」との声もあった。今後の営業活動において、より的確で効果的な提案が期待される。

今年度の「生産性向上支援訓練」ではDMの企画立案の手法、製造現場のトラブル予防保全など専門的な視点で基礎知識から実践手法を学べる講座を予定する。皆様の奮ってのご参加をお待ちしている。

(CS部 河原 啓太)

【生産性向上支援訓練】
9/7(木)、9/21(木) 満員御礼!
成功するDM企画立案のポイント~事例から学ぶマーケティング志向の営業活動~

10/17(火)、10/18(水)
トラブルを未然に防ぐ印刷機の予防保全