新年度を迎え、会員の皆様に専務理事の郡司よりご挨拶いたします。
新年度を迎えるに当たり、2023 年度を思い返して反省し、新たな抱負を立てた。このコロナ禍では、印刷業界も大きな痛手を受けてしまった。ビジネス的な影響はもちろん大きいのだが、コロナ禍前のIT ブームで「ペーパーレスだ! ペーパーレスだ!!」と大騒ぎしていた割にペーパーレス化は一向に進まなかったにもかかわらず、コロナ禍で一挙に進んでしまったのは皮肉な話である。実際にはイメージ先行なのだが、イメージというのは世の中のベクトルを決める&推し進めるうえで大きなファクターであり、無視はできない。
コロナ禍は特異なパンデミックであったが、デジタル化の推進には大きな力になったと思う。ただ、肯定しているように聞こえたとしたら心外で、リモートワーク化やペーパーレス化に諸手を挙げて大賛成しているわけでは決してない。事務処理などはパソコンさえあれば自宅でもできると思うが、開発現場というのは開発スタッフ同士でのツバがかかるくらいの白熱した議論の末に、結果に結び付いてくるものである。紙の印刷物にしても、丁寧で正確な情報伝達は印刷物ならではのもので、タイムリーという点では印刷物はあまり得意ではないが、デジタル印刷ならデジタルメディアと紙の“良いとこ取り”の融合メディアに仕上げられるだろう。
JAGAT は常に印刷ビジネスの未来を目指しているが、それを日頃の活動で具現化していきたいと考えている。2023 年度は、コロナ禍でガタガタになってしまったJAGAT 行事の復活に費やした1 年であった。その目的は達せられたので、2024 年度はコロナ禍後の印刷ビジネスの姿を本格的に啓蒙していきたい。
JAGAT 大会は、正直なところ椿山荘で開催したいのだが、地方へのZoom配信を考えるとJAGAT 本社からのハイブリッド開催しか方法がない。懇親会も椿山荘の高級料理とは比べることもできないのだが、手作りバーベキューパーティーも「JAGAT らしくて良いよ」とおっしゃってくださる方も多い。メーカーの中堅スタッフとユーザーの実務スタッフとの間でディープな会話が弾んでいるのを見ると、「バーベキューパーティーも価値があるのかな?!」と納得している。また、JAGAT 近畿大会2023 で利用した「ホテルモントレ ラ・スール大阪」という良い会場を見つけたので、今後さまざまなイベントに使っていきたい。
そして、page2025 も何とかやり方が見えてきたので、コロナ禍後のpage 展としてしっかりやっていきたいと、決意を新たにしている。展示会場4F の「セミナー会場」「JAGAT コーナー」「テーマゾーン」を最大限に活用し、展示会を盛り上げていきたい。展示会場で行うセミナーとしては、基調講演を展示会の開催初日に開催し、2 日目・3 日目にも準基調講演的なセミナーを開催したいと思っている。page2025 のテーマはまだ決めていないが、「漢字2 文字シリーズの完結編にしようか?」と考えている。
JAGAT スタッフは皆様と一丸となって、「新しい印刷ビジネス」を目指して頑張っていきたいと強く願っている。ぜひ協力して、一緒に頑張りましょう。
専務理事 郡司 秀明