印刷物は13年連続の輸入超過、アジアがシェア7割

掲載日:2024年6月12日

貿易統計で印刷物を見ると、2023年は輸出減・輸入増で13年連続の輸入超過となった。輸出入ともに中国が1位で3割を占めている。(数字で読み解く印刷産業2024その4)

輸出入の1位は中国、西欧からの輸入が拡大

財務省「貿易統計」によれば、2023年の印刷物の輸出額は313億円(前年比2.4%減)で3年ぶりの減少、輸入額は694億円(同1.0%増)で2年連続の増加となりました。

アジアが最大の取引先で、2023年の輸出額は208億45百万円(同5.4%減)、輸入額は478億93百万円(同3.3%減)で、輸出入ともに総額の約7割を占めています。西欧は輸出28億90百万円(同4.3%増)、輸入118億75百万円(同26.4%増)と輸出入ともに増加し、特にドイツ・フランスからの輸入額が増加しました。北米は輸出50億32百万円(同4.5%減)、輸入88億33百万円(同3.0%増)となりました。

輸出先のトップ10は、中国、アメリカ、香港、ベトナム、台湾、韓国、メキシコ、タイ、ドイツ、シンガポールです。中国は不動の1位でシェアは3割を占めます。

輸入先のトップ10は、中国、シンガポール、アメリカ、韓国、ドイツ、フランス、イタリア、アイルランド、ベトナム、マレーシアです。10年連続1位のシンガポールが2位に後退し、中国が1位となり、輸入総額の31.5%を占めています。

下図は1994~2023年の印刷物の輸出入額とその差引額の推移です。1994~2004年の11年間は輸入超過でしたが、2005~2010年の6年間は輸出超過となり、2011年以降の13年間は逆に輸入超過となっています。2023年の差引額は381億円となりました。

『印刷白書』では、印刷物の輸出入相手国上位10カ国の推移表や、アジア・西欧・北米などの地域別の構成比の推移なども、わかりやすいグラフで紹介しています。
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(JAGAT 研究・教育部 吉村マチ子)