現代は、ネットなどを通じた情報過多が日常化している。一方、高齢化社会が進展し、デジタル情報へのアクセス能力には格差も生じている。紙であれば、わかりやすいかといえば、必ずしもそうではない。つまり、デジタルでも紙でも「わかりにくい情報」にあふれた状況だといえる。これらを改善するには、発注者と制作サイドが協力して対応することが必要となる。
保険・金融商品のパンフレットや申込書、食品パッケージ、自治体が発行する印刷物などを「わかりやすく、伝わりやすく」するための基準や検証方法、デザイン改善の手法などを、客観的に整理したものがユニバーサルコミュニケーションデザイン(UCD)である。例えば、適切な「情報の量」はどれくらいか、適切な「色彩設計」「書体選択」はどのようにすべきか、なども含まれている。
本研究会では、「わかりやすさ・伝わりやすさ」とは何か、印刷デザインとして具現化するにはどうすべきかを考察する。