2022年の印刷産業出荷額(全事業所)は5兆462億円(「2023年製造業事業所調査」)

掲載日:2024年8月9日

「2023年経済構造実態調査 製造業事業所調査」によれば、印刷産業出荷額は5兆462億円、事業所数は1万3520、従業者数は24万7854人。(数字で読み解く印刷産業2024その6)

「工業統計調査」に代わる2回目の「製造業事業所調査」

『印刷白書』では「工業統計調査」が全数調査を開始した1955年から、印刷・同関連業の全事業所の推移を見てきましたが、全産業を調査する「経済センサス‐活動調査」の創設に伴い、活動調査の実施年には「工業統計調査」は中止となりました。
さらに、5年ごとに行われる「経済センサス‐活動調査」の中間年において、「経済構造実態調査」が創設されたことから、「工業統計調査」は2020年調査(2019年実績)で廃止となり、2020年実績は「経済センサス‐活動調査(製造業)」、2021年・2022年実績は工業統計に代わる「経済構造実態調査 製造業事業所調査」で見ることになりました。

ただし、2020年以降は個人経営を含まない集計結果です。また、調査対象となる母集団も「工業統計調査」は独自のものですが、「経済センサス‐活動調査」と「経済構造実態調査」は「事業所母集団データベース」を利用しています。そのため、過去の工業統計と単純に比較ができないことに留意する必要があります。

工業統計調査に代わる「製造業事業所調査」は今回が2回目の実施で、品目別・産業別・地域別の集計結果が7月26日に公表されました。2022年の印刷産業出荷額は5兆462億円、コロナ禍を脱して2年連続の増加となり、5年ぶりに5兆円台となりました。2023年6月1日現在の事業所数は1万3520、従業者数は24万7854人です。

下表は、「経済センサス‐活動調査」が創設された2011年以降の印刷産業の事業所数・従業者数・製造品出荷額等の推移です。個人経営を含まない数字となった2020年に、事業所数・従業者数は大幅に減少し、1事業所当たり従業者数は5人増え、1事業所当たり出荷額は1億円以上増加し、2022年はそれぞれ18.3人、373.2百万円となりました。1人当たり出荷額は4年連続の増加で2036万円となっています。

現在『印刷白書2024』(10月発刊予定)の準備を進めていますが、限られた誌面で伝え切れないことや、読者からの問い合わせなどに対しては、「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。

(JAGAT 研究・教育部 吉村マチ子)