近年、電子コミック・電子書籍・電子雑誌などの市場が成長し、出版における電子化の比重が大きくなっている。
XML組版とは、XMLというマークアップ言語に則してタグ付けされたテキストを主データとし、印刷用組版データや電子書籍・Webデータなどに変換する手法である。
また、CSS組版とは、Webのスタイルシート規格CSSを用いてレイアウトを定義する手法である。これらは、1つの原稿データから電子版と印刷版を並行して出版するワンソースマルチユース手法として有効な技術である。
例えば、学会活動や論文誌の分野でも、電子ジャーナルと印刷版を並行して発行する動きが一般的になっており、これらの技術が利用されている。また、製品マニュアルや技術ドキュメントの分野では、これらを応用したDITA規格が国際標準となっており、広く普及している。
本研究会では、XML組版・CSS組版を通じて電子版と印刷版を制作する企業に現状と今後の展開について聞く。さらに生成AIを利用したタグ付け手法について聞き、今後の展開について考察する。また、PDF冊子・固定レイアウトEPUBへの自動リンク生成技術について取り上げる。