これはpageセミナーの打ち合わせをするなかでの講師の真辺氏の言葉である。
印刷会社の多角化の取り組みとしてWeb制作や動画制作を手掛ける会社が増えている。しかし、制作能力があっても販売する力がなくてビジネスがうまくいかないケースを目にする。
真辺氏は、高校生のときデザイナーになりたくて上京し、フリーで活動した後に印刷会社に入社したというキャリアを持つ。デザイナーとしての自分の実績(売上)を見える化して、毎年、給与交渉をしていたそうだ。DTP制作部門の1社員であったときから自分の仕事の成果として売上を意識し、どうしたら高く売れるかを考え続けてきたという。
当時のエピソードでは、同じクライアントでも自社(印刷会社)と大手広告代理店とで受注単価(恐らく利益率も)に雲泥の差があることに我慢できなかったという。自社は、安価で大量の仕事を受けて長時間労働で四苦八苦しながら対応しているのに対して、相手は自ら手を動かすことなくディレクションするだけで高収益を得ているようにみえた。真辺氏の強みは行動力も持ち合わせていることで、自分でお客様と掛け合って雑誌広告のコンペに参加することを認めてもらったという。結果的にコンペに勝つことができ、それを契機に少しずつ割の合わない仕事を断るようにしていった。するとクライアントからの評価が「安くて無理がきく会社から」から「少し高いけど良い仕事をする会社」に変わっていった。
実績がないときは条件の悪い仕事を受けざる得ないが、いつまでもそれに甘んじていては現場が疲弊するばかりである。特にこの採用難の昨今では、ある意味お客様より社員の方が大事といえる。単価の安い仕事をかき集めて長時間労働で対応するようなモデルでは事業を持続できない。
また利益を確保するには、お客様からの評価を上げて単価を上げることと同時に効率的に制作することが求められる。印刷物でもWebでも動画でも共通することだが、お客様のああでもない、こうでもないに付き合ってしまうと工数が増えるばかりで収益を圧迫する。また、制作者が納得できない修正指示は、制作者のモチベーションを大きく下げてしまう。これらへの対処には、お客様に安心感を与える進捗管理が有効だという。
真辺氏は、お客様から評価される(売れる)クリエイティブを追求した結果、印刷からWeb制作、映像制作へと進化するとともに独立して現在に至っている。
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