新卒採用に重要な学生視点での情報発信

掲載日:2018年11月20日

採用活動における3つの大きな課題として、「優秀な人材の確保」「内定辞退の防止」「ミスマッチによる早期退職の防止」があげられる。

学生との接点を増やし会社の価値を伝える
特に中小企業にとっては限られた余分に採用できる余裕はないため、「優秀な人材の確保」「内定辞退の防止」「ミスマッチによる早期退職の防止」これらの課題をひとつでも解決できなければ経営的に大きな影響を与えると言っても過言ではない。これらの課題解決に共通してポイントとなるのが、学生との接点を増やし関係性を強化することである。採用パンフレットやWebサイトなどの媒体を通して広く情報を発信することから、会社説明会、工場見学、面談、インターンシップなど学生と接点を持つチャンス機会は多分にある。そこで必要なのは各接点において一貫したメッセージを伝え続けていく必要がある。中小企業においての優秀な人材の定義は、必ずしも「高い能力」「高学歴」を指さない。自社の理念や仕事に共感でき長いスパンで会社に貢献できる学生が優秀な人材の定義だと考える(その上で高い能力や高学歴であれば尚良い)。いくら優秀な学生でも自社への共感がまったくなければ、結局は内々定の辞退や早期退職につながり採用は失敗に終わる。そうした価値観を重視している学生へは、「企業風土」「理念や経営者の想い」「仕事内容」「やりがい」「職場環境」など、給料や安定性だけではなく、自社のリアルな仕事環境に興味を抱いてもらうことが必要だ。「2019年卒マイナビ学生就職モニター調査6月」によると、入社案内を見るときに注目するポイントとして以下があげられている。

会社概要や募集要項などは当たり前の情報として閲覧率は高いが、特筆すべきは「採用方針(求める人物像・採用メッセージ)」が53.2%と非常に高い。採用方針は新卒採用における会社の想いであり、ここのメッセージ力の高さが学生の心を揺さぶるひとつの試金石になっている。また、「先輩社員インタビュー(31.1%)」「入社後の教育研修やキャリアプラン(25.8%)」など、入社後の具体的なイメージわくコンテンツも重要視されている。その他、「社員アンケート」「数字でみる○○」など、注目ポイントとしては10%前後だが、そうしたユニークなコンテンツを用意している企業も多いことが伺える。こうした学生目線での統計資料を参考に、採用コンテンツを制作していくのは有効である。

採用ツールに必要なデジタル×紙の融合
採用メディアにおいても学生の生活シーンにあわせて「デジタル×紙」の融合させることが閲覧率をたかめるのに有効である。主要な案内ツールをあげると、就職情報サイト、PCのWebサイト、スマートフォンサイト、冊子型の会社案内がある。企業を探す際の入り口として最適なのは就職情報サイトである。また、そこから企業の採用Webサイトを閲覧した上で、エントリーをするか否かを決める。ここでWebサイトが充実していないと離脱される可能性は高くなる。依然としてPCのWebサイトを閲覧している学生の方が多いが、年々スマホで閲覧している学生も増えているのでスマホサイトに最適化する対応も必要になる。実際に、会社説明会や面接などリアルな場で学生と接点を持てる場では、紙(冊子型)の会社案内が有効である。「2019年卒マイナビ学生就職モニター調査6月」によると、77.8%の学生が、紙(冊子型)の会社案内を重要視している。手にとって見ることで記憶に残ることや、じっくり読むことができるなどの理由があげられている。採用案内ツールにおいても紙メディアの有用性は高く、デジタルと紙を学生の生活シーンに応じて使い分けることが求められる。

印刷業が採用活動をしていくうえで、印刷の仕事を伝えていく必要がある。多くの学生が印刷会社に対してイメージしているのは印刷物を作ることだろう。しかし、企画からデザインまで一貫して請け負うことや、加工にこだわることで深価値のある印刷物の制作、デジタルと融合したプロモーション支援や地域活性、BPO事業など印刷会社には印刷「プラスα」の魅力がある。こうした業務の広がりや、印刷業の新たな可能性を伝える必要がある。学生が紙(冊子型)の会社案内を重要視しているなかで、紙メディアを強みにしている印刷業が、デザインや加工にこだわった採用パンフレットを制作することで、印刷業の仕事や成果物をリアルに訴求できる。それに加えて動画やWeb等のデジタルメディアと連携したクロスメディア要素も付加すれば、採用ツールを通してより印刷業の新しい仕事のイメージを伝えやすい。採用活動における印刷業は面白いポジションにある。

教育サポートチーム 塚本直樹

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