新年明けましておめでとうございます。昨年の世界経済を振り返ってみると、米中の貿易摩擦問題を抱えながらも、前半は順調に推移しましたが、後半はハイテク株への過度の期待に対する不安からNY株が大きく下落しました。
日本経済は為替が110 円台で安定し、一昨年に続き輸出企業を中心に最高益を更新する企業が多数出現し、また上半期決算も順調でしたが、下半期については横ばいもしくは若干弱めの見通しが大勢です。こうした中、米国国内・米中・英国の離脱等、政治的問題から目を離すことはできません。
国内においては、一方では団塊の世代が去り、生産年齢人口の減少により、人手不足解消のため省力化が進み、また他方では日銀の長期にわたる金融緩和の負の影響として、銀行を始めとする金融機関の経営が難しくなり、地方の支店の閉鎖やリストラと共に、現金決済を減らす試みだけでなくあらゆる業務プロセスのデジタル化、自動化が急速に進んでいます。そうしたことが、印刷需要に大きな影響を与えました。
昨年はRPA(ロボティックプロセスオートメーション)、デジタルトランスフォーメーションという言葉を新聞紙上で何度も目にしました。そのような経営環境下、現在では企業のマーケティング活動はビッグデータを用いたデジタルマーケティングの議論が主流ですが、当協会では昨年から「デジタル×紙×マーケティング」をテーマとして紙メディアの効果について研究し、取り上げてきました。
今年のpage2019 も同様に関連のカンファレンスやセミナーを用意しました。参加される皆様にとって、市場における仮説と検証に触れることのできる良い機会になればと思っております。また展示会場においては、各メーカーから、我が国のこうした状況を踏まえ現代のニーズを満たす現実的な提案がなされることを期待しております。
今年も経営環境の変化が速い一年となりそうですが、新たなサービスの提供などで各社にとって良い年となりますようお祈り申し上げます。
公益社団法人 日本印刷技術協会
会長 塚田 司郎