「デジタル×紙×マーケティング」を実践する人材の育成
先般のpage2019は「デジタル×紙×マーケティング」をメインテーマとして開催し、盛況のうちに終えることができた。「印刷物の価値を高めるために何をすべきか」という答えのヒントを見つけた方も少なくないだろう。
「デジタル×紙×マーケティング」の基礎力
「デジタル×紙×マーケティング」を一言で表すと、デジタルの良いところと紙の良いところをうまく使って、顧客のマーケティング活動に貢献することである。
それを実現するには、「デジタル×紙×マーケティング」の基礎力をアップすることが重要である。顧客が考えているマーケティングとはどういうものか、デジタルの強みと紙の強みとは何か、まず一般的な知識として身に付けなければならない。
そして、実際に「デジタル×紙×マーケティング」ビジネスをスタートするは、企画・提案力が必要である。
これらは相談や依頼があって始まる受動的ビジネスではなく、自ら企画・提案することで始まる能動的ビジネスである。デジタルの強みと紙の強みを組合せ、顧客が抱えている課題を解決する方策を企画・提案しなければ、ビジネスは始まらない。他社と差別化することもできない。
クロスメディアエキスパートと「デジタル×紙×マーケティング」
JAGATでは、クロスメディアエキスパート認証試験を実施している。ここでは、「マーケティング」「メディアとコンテンツ」「デジタルメディア技術」の3分野に関する知識が問われる。
ここでいうマーケティングは、基本的なマーケティングに最新のデジタルマーケティングを加えた内容である。「メディアとコンテンツ」は、クロスメディアという言葉通り、デジタルの強みと紙の強みを正確に把握しているかどうか問う内容である。
第2部の論述試験は、架空の企業に関する与件文を読み、顧客の課題を解決するコミュニケーション戦略の提案書を作成するものである。
試験形式であるため、制限時間内に与件文を理解し、一人で解決策を考え、提案書にまとめなければならない。そのため、基礎的な知識や理解力、企画・提案の実力が問われることとなる。
第26期試験では、「コインランドリービジネスをおこなうA社」が与件として出題された。
優秀解答では、以下のような内容が提示されていた。
(1)店舗近隣の住民に対する来店促進キャンペーン
・Web広告
・近隣の駅ポスター、サイネージ
・QRコードでWebサイトのキャンペーンページに誘導
・キャンペーンページで、クーポンを発行し、会員登録を促す
(2)SNS公式アカウントの開設
・twitter、インスタグラムに公式アカウントを開設、発信と交流をおこなう
・サービス紹介、洗たくモノの実用的知識や動画を発信
・画像投稿キャンペーンによる来店促進、ファン化促進
(3)Webサイトコンテンツのリニューアル
・サービス体験談をマンガにして配信
・ランドリーサービスのコストシミュレーションを算出・発信。
・プロが教えるシミぬき・汚れ落としを動画で紹介。
・安全性のPR
顧客から見て、「やってみたい」と思える期待感のある提案内容となっている。
クロスメディアエキスパート認証試験を通じて学習することが、「デジタル×紙×マーケティング」の実践に役立つことは疑いないと言える。
(研究調査部 千葉弘幸)
(※関連ページ)
クロスメディアエキスパート記述試験 【過去問題と解答例】