JAGATは4月2日~5月10日の期間で、東京会場および大阪会場で2019年度の新入社員研修を開催した。また、5月13日からは、印刷営業の新人育成研修「20日間集中ゼミ」がスタートし、現在6名が長期研修に臨んでいる。
売り手市場の厳しい採用活動を終えて、入社した新人たちは一人一人が会社の貴重な財産だ。JAGATでは、新入社員研修を通して、彼らが1日も早く組織の一員として即戦力となれるよう成長を後押しする教育プログラムを実施している。その一環として、知識やスキルの習得を促進する目的として、様々なカリキュラムにおいて「体験学習」の要素を増やしている。
■社会人としての自分を知り、相手を知る
新入社員研修では、社会人に必要な基礎力として「コミュニケーション力」の習得に重点をおいている。より良い人間関係を築き、成果を生み出せるようになるには、新人のうちからコミュニケーション力を養うことが必要だ。講座では、仕事を進める上でのコミュニケーションの取り方、「聞き上手」になるコツ、自分の個性を知り、強みとして活かす方法などを学ぶ。コミュニケーションのコツをつかむには、座学よりも、参加者同士の対話を中心に進めるワークが有効だ。様々なシチュエーションを想定し、繰り返し実践することによって、自分を知り、相手を知り、組織におけるコミュニケーションの基本を少しずつ体得してゆく。
■学びを形にする経験
印刷物製作に必要な技術知識を学ぶ「印刷製作入門講座」は、講義編と実技編に分かれている。実技編では、基本となるDTPアプリケーションの操作方法を学んだ後、課題作品の制作に取り組む。作品は、印刷実習で自ら印刷を行い、仕上がりを確認する。Macや印刷機を操作しながら、撮影、画像処理、デザイン、DTP作業、印刷までの工程を一通り体験する。PC上のイメージが実際に形になるまでの作品づくりを通して、より具体的に印刷工程の全体像に触れることができる。こうした経験は職種に関係なく、例えば営業職であれば、刷り出しや校正時のチェック等、後々役立つはずである。
こうした「体験学習」を研修の柱に取り入れて、大幅にリニューアルしたのが、5月13日から実施している「印刷営業20日間集中ゼミ」である。印刷営業未経験者を対象に、即戦力としての早期育成を目指すプログラムだが、今年度から実践力を強化し、知識習得と並行して具体的な課題案件に取り組むワークが加わった。中野区の実際の店舗をクライアントに選び、印刷の提案に必要な「ヒアリング」「プランニング」「提案書の作成」「販促ツールの作成」「プレゼンテーション」の各営業プロセスを、段階別に体験する。学習した知識を実践に活かすことで、応用力を高め、自ら考え、解決する力を育む。
スタート週だった先週は、営業の基本プロセスの解説の後、情報収集の事例やヒアリング手法を学び、実際のクライアントとの面談に臨んだ。ここからが実践の第一歩である。
印刷会社の新入社員が習得しなければならない知識やスキルは多岐にわたり、膨大な量になる。学んだ内容をすぐに形にしてアウトプットする経験は、理解を早める効果がある。知識と実践の相乗効果がもたらす成果を、実際の仕事の現場でぜひ役立てていただきたい。