新年のご挨拶

掲載日:2021年1月1日

新年あけましておめでとうございます。新型コロナウイルスのニュースに明け暮れた2020年もようやく終わり年も新たになって、戦いも中盤あたりでしょうか。冬になって気温も下がり、湿度も下がるにつれ、世界の各地で感染者数が再び増加して、欧米では深刻な状況に逆戻りしています。世界の専門家の予想では、こうした事態が収束に向かうのは、安全なワクチンが広く利用される今年の後半以降とのことなので、今年もまだそれまでwithコロナの状況で、やっていかなければなりません。

昨年を振り返ると、コロナ禍の状況下、多くの企業は主に2つのことに注力してきたように見えます。一方では、収束後の社会に備えて、現在の経営資源を維持することで、助成金の申請などで遊休資源をフリーズしてきました。また一方では、売り上げの止まった過去のビジネスのやり方を見直し、人による営業活動からホームページの改修、メルマガやダイレクトメールの利用、動画を利用したオンラインセミナーやウェビナーの開催など、マーケティング活動においてはターゲットユーザーにリーチするチャネルの見直しを行い、デジタルメディアにシフトしてきました。仕事のやり方そのものが見直され、テレワークが急速に普及していきました。

イベントの自粛や経済活動に制限があるなか、企業の行動がこのように変化して、印刷業界では広告、宣伝、販促といった分野の仕事に影響が大きく及び、オフセット輪転機に象徴されるカラー印刷の仕事が減少しました。現在の状況は、不況で売り上げが減少するということでは10年前のリーマンショック後の世界と似ています。企業の使える予算も限られてくるので、気の利いたサービスを提供するよりは本質的なサービスをよりリーズナブルなコストで提供する必要があります。

受注から納品までの全てのプロセスでタッチポイントを減らすべくワークフローオートメーションに取り組んだり、そもそも全て自前の自社の垂直統合モデルを見直してみるとか、柔軟な対応性のために各部門の職務範囲を少し広げてみるとか、毎日の仕事が減って時間に余裕ができた分、各社でいろいろと考えたりトライしてみたりできたのではないでしょうか。

JAGATでも昨年はセミナーを開催して集客することができなかったので、トピック技術セミナーも、地方の大会であるJUMPも、JAGAT大会もオンラインになりました。当初はやや不馴れだった動画撮影やストリーミング配信も最近ではスムーズにいくようになりました。2月の3日から28日まで開催するpage2021は、新しい試みとしてリアルとオンラインでハイブリッドなイベントとして企画しました。皆さんの参加をお待ちしております。今年が各社の皆様にとりましてより良い一年となりますようお祈り申し上げて、ご挨拶とさせていただきます。

公益社団法人 日本印刷技術協会
会長 塚田 司郎