JAGAT主催の新人研修に参加した新入社員を対象に、就職活動の感想、社会人生活や今後のキャリアプラン等について、匿名によるWebアンケートフォームを利用し意識調査を行った。今回は、新人が学生時代にイメージした印刷業と志望した理由について紹介する。
人材採用は依然とした売り手市場が続いている。中小印刷会社が優秀な人材を獲得するのは容易ではない。自社の魅力や将来性、仕事のやりがい等、学生目線で伝えていくことが採用戦線で選ばれるポイントになる。その目線を捉える上で、実際に入社した新入社員の生の声は参考になるので紹介する。
志望理由として、「印刷に興味がある(39.2%)」「デザイン(27.1%)」「本が好き(25.4%)」が多い。紙、クリエイティブ、ものづくりは、印刷業における採用キーワードとして重要であることがわかる。それらに関する、具体的な仕事や経験できることをPRすることでより多くの学生から関心を得られる。
一方、「マーケティング(11.6%)」「Web・動画(8.8%)」は、10%程度ではあるが志望理由にあげられている。「印刷業=紙Only」のイメージから、デザイン、デジタルメディア、マーケティングと印刷会社の仕事の幅が広がっていることが、学生に対しても徐々に浸透し始めている。
次に、印刷業界のイメージについて“一言で表現”してくださいとの問いに対する、新入社員の回答をプロットしたのが以下である。
特長として、社会や人々の生活基盤を支えている、縁の下の力持ち等の社会貢献度、歴史、伝統があるため腰を据えて仕事に取り組める安定性のイメージがあるようだ。一方、印刷だけに頼るビジネスには不安を感じていること多く、「変化」「創造」のようなワードも多く、新たな価値を生み出す必要性を感じている新入社員も多い。
今回は、印刷業を志望した理由、業界イメージについて紹介した。これらは学生が実際に印刷会社へ応募、入社する上で知りたい情報である。それを学生目線でわかりやすく、自社の魅力と織り交ぜながら、採用PRツール、説明会、面接等で、訴求できる印刷会社は強いのではないかと考える。新入社員の視線を通して、印刷業を俯瞰して捉えることで、学生や新卒・若手社員に何を伝えるべきかを考え、今後の新卒採用、若手社員の定着化の参考になれば幸いである。
JAGAT 塚本直樹
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