お客様の要望に応えられる営業を目指すためには、新人のうちから広範な基礎力と自分で考える力を育むことが求められる。。
印刷営業未経験者の早期育成を目指す短期集中講座「印刷営業20日間ゼミ」が、5月11日~6月5日の期間で開催された。
毎年少人数制で実施している新人営業のためのトレーニング研修だが、今回は定員の10名に達し、地方から3社、東京周辺から3社、男性6名、女性4名が参加した。近年、印刷業界では女性の営業職の採用が増加傾向にあるが、20日間という通常より長丁場のセミナーにおいても女性の比率が高まってきたことが注目される。
短期間で印刷営業の基礎をひと通り習得し、一人前の営業に近づくことを目標に、ほぼ1ケ月にわたって、①印刷物の製作知識 ②営業実務知識 ③企画提案業務の基礎のカリキュラムに取り組む。座学だけでなく、オフセット印刷実習や工場見学などの体験学習を交え、実務能力の強化を目的とした科目では、様々な演習を通して自ら考え、応用に活かす力を育む。
たとえば「仕様設計実務」では、商業印刷物の機能と役割を理解した上で、課題にそって「制作仕様設計書」や「ページネーション」を作成する。「新市場攻略のための営業実践」では、分析的アプローチによって、お客様の課題を解決しながら提案をすすめるソリューション営業の手法を学び、事例をもとに企画書を作成し、発表する。後半はほぼ毎日、演習課題が出題され、受講者同志意見を交わしながら、成果発表とハードな日々が続く。
20日間を完走した参加者の方からさまざまな感想をいただいた。
「全体を通して、体系だった内容の濃い講座だった。」
「他社の受講生とグループワークなどを通してコミュニケーションをとることができ、刺激になった。
自分だけでは解決できないことも議論を通して答えを導くことができることを知ったのは良い経験になった。」
「お客様の要望に応えるためには、まず的確に聞くこと。提案できるための知識をもつことだと感じた。
印刷業がカバーする領域は幅広い。もっと知識を蓄え、経験を重ねたい。」
「日々の業務では触れることのない現場での実習を通して、仕事への理解が深まった。」
印刷営業未経験者対象ということもあり、新卒の営業職が大半だが、参加者の中には中途で印刷会社に入社し、基礎から印刷関連の必須知識の習得を目指す方もいる。
他業種で営業職に携わられたご経験のもと、昨年都内の印刷会社に営業本部長として転籍された参加者の方は、印刷業全般の知識をより深めたいと、業務の傍ら参加を決められた。若い受講者たちと共に積極的に日々の講義に臨まれ、時には長年のご経験に基づくお話もしていただきながら、全日程を修了された。
研修を終えられて、感想を伺った。
「補強したいと思っていた項目はほぼ達成できた。受講前に予想していなかった『課題』も見つかり、有意義だったと思う。」
20日間ゼミは新人営業職だけでなく、中途入社や後継者の方など、さまざまなバックグラウンドを持ち、新たに印刷業界でスタートを切ろうとするすべての人々に開かれている。
1ヶ月という期間の中で生まれた受講生同士の交流、横のつながりも本講座ならではの光景かもしれない。
この一ヶ月を完走したひとりひとりが、今後現場での実践を通し、学んだ知識や経験への理解を深め、仕事において活かしていっていただきたい。
(CS部 原 淳子)
★関連講座
2015年7月10日(金) 10:00-17:00
印刷営業のためのマーケティング基礎講座
多数の連載をもつ寶積昌彦講師の人気講座。新たな需要を創りだす「マーケティング能力」が身に着きます。初心者向け。
http://www.jagat.or.jp/archives/3931