4月の売上高は+5.7%と高い伸びになった。
昨年同月は消費税による駆け込み需要後の落ち込み(△6.8%)があった反動増である。したがって、今年4月の伸び率5.7%は高いが、昨年の落ち込み幅との差し引きは△1.1となり実質は微減である。地域別に見ると、首都圏以外の全地域でプラス転換した。首都圏は出版印刷の低調が影響して全国で唯一のマイナスとなっている。円安で好調な輸出産業を多く有する名古屋圏が好調なほか、大阪圏が11カ月ぶりのプラスに転じるなど、反動増とはいえ全国的に持ち直し傾向が見られた。
業種・業態別には商業印刷が+7.7%と昨年の落ち込み(△7.4%)を上回る高い伸びとなり、景気回復傾向の好影響がようやく遅れて波及してきた可能性を感じさせる。総合印刷(+4.1%)、紙器・事務・その他(+3.1%)もプラスになったが、出版印刷(△7.5%)は依然として低調に推移している。
資料材(用紙・インキ・CTP/PS版)はいずれも8%以上の大幅増となった。資材料値上げが伝えられ、数量増と単価増の複合的要因が絡んで大幅増になったと思われる。
【印刷会社経営者の声】
■ 茨城:商業
インバウンドで外国人の人気スポットは大盛況なので、地方にも来てもらえる仕組みを地域全体、官民でつ作りたいと考えています。
■ 東京:商業
工場稼働率は年度末の3月より4月のほうが高かった。
■ 長野:総合
広告業がプラス成長見込みなので、印刷に悪い影響を及ぼすことはないと見る。商業印刷へ好影響を期待したい。
■ 岐阜:紙器
ある印刷会社の社長から「高品質と短納期などは当たり前でアピールすることではない。もう一つ独自の特色を持つことが重要。そしてその特色で、低価格、無意味な価格競争から回避できる」と言われた。納得。けれど難しい。
■ 岐阜:その他
今年は生き残りを賭けた戦略が必要。無い企業には未来が無いと言っても過言ではないと思います。
■ 岐阜:総合
ものづくり補助金の試作品づくりも一段落し、これから本腰を入れて拡販していこうと思っています。価格競争にならない付加価値製品・サービスの開発が今後ますます必要だと感じています。そのための補助金、有効利用していきたいです。
■ 大阪:総合
消費税による落ち込みは落ち着いた。しかし低迷している状況であることに変わりはない。
■ 和歌山:商業
用紙の値上げは、5月より現状から約5%アップで落ちつきそうです。予備紙や余剰品の削減などをさらに具体化して対応していきます。
■ 福岡:商業
最近の行政や美術展などの入札に域外の業者が参加されるケースが目立つようになった。ローカルとしては要マークとなる。