今回もマーケティングから離れて「画質」について語ってみたい。
本題に入る前に、前号で触れた「RGB入稿」に関してなのだが、やはり各メーカーの独自機構というのが関係しているようで、その辺をしっかり把握してからでないと、簡単に「RGB入稿をお勧めします」とは言い切れないことが分かってきた。結果オーライではなく、「何か変?なのは(うまくいかないのは)このような処理をしていたからで、こういう設定にすればうまくいく」と納得のいく解説ができるように準備している。どうもこのようなことになってしまった背景には、画質に対する考え方もあるようだ。
「画質」を説明しだすと“大著”になってしまう。解像度(解像性)、色(色弁別・色調・カラーマッチング)、調子再現等々と、画質といっても人それぞれで、特に昔の印刷人と今の印刷会社のスタッフとでは捉え方が大きく異なっている。昔は銀塩フィルムをスキャニングしてデジタル画像データ化していたのだが、現在はデジタルカメラでダイレクトにデジタル画像化している。誤解を恐れずに言ってしまえば、スキャナー時代は少々大きめのアパチャー(バカ穴)で画素をスキャニングしていたので、必要画素数が「やれ300dpiだ」「350dpiだ」「いや400dpiは必要だ」などのさまざまな“流儀”があった。ワタシテキには解像性に重点を置くと、やはり400dpiが高画質だったと思う(実に印刷人的感覚だ)。
今のデジタルカメラは画素数も上がり、レンズもデジカメ用に開発されているので(ひずみなどはデジタル処理でカバーして、解像性を最重点項目として設計)、解像力は素晴らしい。300dpiで十分だ(350dpiより上は必要ない)と感じている。もちろん350dpiにすれば解像性は確実に良くなるが、必要な画素数という点では300dpiで十分ということだ。