ビジネスの現場でやり取りされるさまざまな文書や印刷物の目的は、情報を受け手に伝えることですが、その文書が読みにくいと内容をうまく伝えることができません。わかりやすく、きちんと伝わる文書作成のためには、文章や図版を用いて見せ方を工夫するレイアウトデザインが必要なのです。
私たちが仕事を進めていく中で日々接する文書や印刷物には、組織内での報告書、提案書、通知書や届出書、対外的な取引や社交・儀礼に用いる企画書、案内書、挨拶状など実にさまざな種類、形態があります。これらに共通する目的は、情報を正確に伝えるとともに社内文書であれば組織内で情報の共有や理解、共感を得ることですし、社外文書では情報を伝えることでこちらが期待する何らかの行動を起こしてもらうことなどが挙げられます。
しかし、情報が整理されていなかったり、文章が読みにくいと内容がうまく伝わらず目的が果たせないことになってしまいます。
文章を読みづらくする要因はさまざまにありますが、JAGATでデザイン関連セミナーの講師や、DTPエキスパート問題作成委員を務める樋口泰行氏(樋口デザイン事務所代表)によれば、そもそも多くの情報をそのままワープロで文書にするなど、情報を詰め込むだけではページ数が増える一方で、読みにくかったり、わかりづらかったりして混乱の原因になると指摘されます。
そこで必要になってくるのが、文書のレイアウトデザインだということです。
レイアウトデザインは、紙面に文章や図・写真といった要素を、読みやすさ・見やすさの観点に配慮して置く位置を決めていくことで、結果として注目されやすく、読みやすい文書に仕上げることができるようになります。
“デザイン”というと才能やセンスが必要な特別なスキルだと思われがちですが、樋口氏の解説によれば「この場合のデザインとは、いわば紙面上の交通整理を行い、見る人が迷わないように読む道筋を作って誘導すること」で、デザインのガイドとなる基礎知識とレイアウト要素である文字、写真、グラフ、表、配色などについて必要最小限の決まりごとだけ覚えればいいので「だれでもできる」としています。
例えば、ページの余白(マージン)は用紙サイズの短い辺の幅の約5%を設定する。文字の太さ(ウエイト)の異なるフォントファミリーの中から、見出しには太めのウエイト、本文には標準的なウエイトを用いるとデザインに統一感が生まれる。文書に使用する色は3色以内とし、まず文書の内容や読み手の属性に合ったキーカラーを決め、キーカラーの彩度や明度を変えたサブカラーを決める。などなど。
基本となる設定やコツを身につければ、それがアイデアのもとともなり見栄えがよく魅力ある文書に仕上げられるのです。
JAGATでは樋口氏を主任講師として、情報をわかりやすく伝えるセンスアップのコツを習得する通信教育「よくわかるレイアウトデザイン基本コース」を開講しています。
本講座は、文書をデザインするための基礎知識と具体的な手法を2ヶ月(添削課題2回)のコンパクトな期間で学べるので、営業・企画担当者や新人デザイナー、DTPオペレーターをはじめ、ビジネス文書に携わるすべての人に活用いただけます。
(JAGAT 通信教育係)
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・「よくわかるレイアウトデザイン基本コース」
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