連休明けの5月8日より新型コロナウイルス感染症の分類が、2類相当から5類へと緩和移行され、世の中の正常化も加速されると思われるが、いわゆる「5月病」が発症する時期とも重なり、特に新入社員に対するケアが重要となる。
「5月病」とは、新年度4月から新しい環境に慣れるべく頑張ってきたものの、次第にストレスなどがたまり心身に変調をきたす状態の俗称で、医学的には適応障害の一つといわれる、と説明されている。
特にこの3年に及ぶコロナ禍の影響もあり、政府による全国実態調査によると「孤独感がある」と回答した人が4割にも達し、特に20代、30代の若い人が多いと発表しており、従来よりも5月病の危険性が高まっているかもしれない。
また、オンラインやリモートが日常であったものが3年ぶりにリアルに人と接する機会が増えることで、コミュニケーションストレスや身体的にも疲労が重なり、例年に比較して5月病の要因や質が違ってくるとの指摘もある。
5月病への対応策としてはストレスをためないことが大切だといわれるが、厚生労働省による“働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」”では、「5月病」とのつきあい方・・・として以下のようなストレス対処法を挙げている。
・親しい人たちと交流する:友人と話をすることで不安やイライラの気持ちが整理されたり、アドバイスがもらえる。
・笑う:笑いにより自律神経のバランスを整えたり、免疫力を正常化させる効果が期待できる。
・仕事から離れた趣味を持つ:仕事から開放されているという実感が、仕事への意欲も高める。
また、自分の「考え方のクセ」に気づき、自分にやさしくなろう・・・として、考え方の例を挙げ、自分と上手に付き合う方法を多く見つけることを推奨している。
・「全か無か」思考(完璧主義):白か黒か、成功か失敗かの両極端で考えてしまうタイプの人は、「できなかったこと」ではなく「できていること」に目を向けるとよい。
・過度の「一般化」:否定的なことがあると「いつもこうだ」と一般化してしまう人は、「本当に毎回そうか」と自分に問い直してみる。
・「すべき」思考:自分の基準でしか行動できず、うまくいかないと罪の意識を持ったり相手に腹を立てがちな人は、否定的に断定せず「○○であればよい」程度の言い方に変えてみる。
いずれにせよ5月病は心身が休養を求めている状態なので、「頑張れ!」などと負荷をかけることは禁物で、適度な息抜きが必要であることを認識し、会社としても暖かく寄り添い見守っていく姿勢が大切であろう。
さて、こうした試練?を乗り越えて新入社員たちはこれからいよいよ仕事の現場に飛び込み、実務の世界へと本格的に取り組んで行くことになる。そのベースとなる知識として、これまでにビジネスマナーや印刷技術の基本など一通りの研修を受けてきたはずであるが、果たしてきちんと身についているであろうか。基礎知識の不足により、現場で壁に直面してしまう人たちも多いと聞く。
特に印刷技術に関しては、専門用語も多く範囲も広いので、一度や二度聞きかじっただけで身につくものではなく、繰り返し学習、復習が大切だ。
しかし、5月病の季節はやる気や集中力が失われる時期でもあり、強制的な研修は返って逆効果になる可能性もある。そこで自学自習の環境、機会を作り、提供することが新入社員たちに過度な負荷をかけることもなく、基礎固めの復習教育には有効であると思われる。
JAGATでは、そうしたいつでも自分の好きなタイミング、ペースで、印刷技術や製作工程の基礎を学べる復習教育の機会として、約2週間見放題のオンデマンド動画セミナー「印刷制作入門講座」を、月2回の配信日程期間を設けている。
また、同様に時間・場所を選ばずにすきま時間で学習できる通信教育講座として「よくわかる印刷技術・基本コース」がある。本コースは、昨年12月に改訂開講して以来すでに270名以上が受講した内定者・新入社員向けの「新入社員コース」のステップアップ講座としても無理なく継続学習が可能だ。
5月病を回避し、基礎固めのための復習学習の手段として、これらの機会の活用をおすすめしたい。
(CS部 橋本 和弥)
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