印刷物は12年連続の輸入超過、アジアがシェア7割

掲載日:2023年5月16日

貿易統計で印刷物を見ると、2022年は輸出入ともに拡大し、12年連続の輸入超過となった。輸出先は中国が不動の1位で、輸入先はシンガポールが10年連続トップである。(数字で読み解く印刷産業2023その4)

輸出は中国が不動の1位、輸入はシンガポールが10年連続1位

財務省「貿易統計」によれば、2022年の印刷物の輸出額は320億円(前年比11.9%増)で2年連続の増加、輸入額は686億円(同0.5%増)で3年ぶりの増加となりました。

アジアが最大の取引先で、2022年の輸出額は220億27百万円(構成比68.8%)、輸入額は495億50百万円(同72.2%)で、輸出入ともに約7割を占めます。北米は輸出52億70百万円(同16.5%)、輸入85億72百万円(同12.5%)、西欧が輸出27億70百万円(同8.6%)、輸入93億92百万円(同13.7%)となりました。

輸出先のトップ10は、中国、アメリカ、韓国、香港、ベトナム、台湾、タイ、メキシコ、ドイツ、シンガポールです。中国は不動の1位で、シェアは8年ぶりに30%台となりました。香港とメキシコ以外の8カ国は増加し、韓国、アメリカが大きく増加したほか、シンガポールは大幅増で5年ぶりにランクインしました。

輸入先のトップ10は、シンガポール、中国、アメリカ、韓国、ドイツ、マレーシア、フランス、イタリア、アイルランド、プエルトリコ(米)です。10年連続1位のシンガポールからの輸入額は前年より52億円減少しましたが、輸入総額の33.7%を占めています。トップ10の顔ぶれは前年と同じですが、6位以下の順位は変動がありました。

下図は1993~2022年の印刷物の輸出入額とその差引額の推移です。1993~2004年の12年間は輸入超過でしたが、2005~2010年の6年間は輸出超過となり、2011年以降の12年間は逆に輸入超過となっています。2022年の差引額は366億円まで縮小しました。

『印刷白書2022』では、印刷物の輸出入相手国上位10カ国の推移表や、アジア・西欧・北米などの地域別の構成比の推移なども、わかりやすいグラフで紹介しています。
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(JAGAT CS部 吉村マチ子)