※本記事の内容は掲載当時のものです。
ユーザレポート:WebNative導入で営業展開を方向転換
株式会社ランドマークプレスは、静岡市を中心にDTP制作や製版を中心に活躍されている企業です。藤枝市に本社を構える株式会社石垣印刷の関連会社として1992年に設立。石垣印刷の静岡営業所と隣接したオフィスを構え、密に連携を取りながらDTPターボサーバーでのデータ管理を絡めた営業スタイルで独自の顧客層を広げつつあります。同社は1999年にSGI O2ベースの「DTPターボサーバーII」を導入し制作ワークフローを固めた後、2003年ファイル管理システム「WebNative」と画像データベースオプションである「Venture」が搭載されたXserveベースのDTPターボサーバーである「スーパーCUBE」を導入。データ管理はもちろん、さまざまな用途で活用されています。
今回は、DTPターボサーバー導入によって変化した顧客・外部デザイナーとの協力体制や、今後の展望について、同社取締役・本間和人様にお話を伺いました。
■WebNative導入で営業展開を方向転換
DTPターボサーバー導入の数年前、同社は多くの競合他社の中から生き残るためにDTP以外にも何か新しい仕組みや事業を行いたいと感じ始め、当初はXserveベースでのストリーミング事業などを考えていたそうです。しかしその後、ファイル管理システム「WebNative」と画像データベースオプションである「Venture」が搭載されたDTPターボサーバーを知りました。
「さまざまな展開の可能性を秘めていると感じて導入しました。また技術サポートの対応や新しい情報を提供してくれる姿勢もうれしいところでした」(本間氏)
現在導入いただいているDTPターボサーバーの構成は、基幹サーバにXserve、RAIDシステムとしてXserve RAID 180GB×7、バックアップシステムにSONY AIT-3テープ装置を8巻タイプ。ソフトウエアはワークフローソフトウエアFullPress6クライアント、WebNative、Ventureです。「自社のデータ管理はもちろん、レンタルサーバのようにお客様にサーバ領域を使用していただくサービスを行いたいと思いました。それ から、WebNativeやVentureを利用した営業提案も可能だと感じました」(本間氏)
そして実際、同社ではDTPターボサーバーを中心にクライアントや外部の協力会社、デザイナーと効率的なワークフローを構築されていきます。
■大手通販会社との自動組版ワークフロー
ランドマークプレスではDTPターボサーバー導入後、大手通販会社のカタログ制作に画像データベースオプション「Venture」を利用した自動組版フローを取り入れました。「最初は画像データベースとして提案し、ご利用いただいていました。その後自動組版の要望があり、Ventureを利用したInDesignとProDIX AutoSpeeder(プロフィールド社が開発した自動組版エンジン)での自動組版の仕組みを構築していきました」(本間氏)。
クライアントである通販会社は、今までの作業は細かいレイアウトの調整から組版、印刷まですべて一つの印刷会社に丸投げしていたため、手間は掛からなかったものの高いコストが掛かっていました。「当社のサーバを利用していただき、最終データまで制作できれば、後はクライアントが好きな印刷会社を選択できるようになります。コスト削減にもつながります」(本間氏)
現在、InDesignの組版部分とIllustratorの組版部分の調整などを行いながら、徐々に実稼働を始めています。このほかにも、通販カタログに掲載されているモデルの画像データベース作成など、クライアントの要望に応じたサービスを随時展開し、ニーズにこたえています。
■アミューズメント関連企業への提案
<clear=all>ランドマークプレスが手掛ける営業展開のもう一つの例として、時間と場所を選ばないWebNative・Ventureのメリットを利用した、近隣の県や都心部に展開するアミューズメント施設に対するデータ管理・配信サービスが挙げられます。「施設内で利用されるポスターやPOPは共通して利用できるものが多く、チラシなどは住所と場所を入れ替えさえすればどこの店舗でも流用できます。WebNativeを生かして、各店舗で必要な時にすぐデータをダウンロードしたり、印刷を発注できるシステムを構築し、徐々に運用を開始しています」(本間氏)。サーバ使用料やパスワード発行に対し課金を行う代わり、ダウンロードに対し課金は行っていないので、プリンタをもっている店舗であればいつでもPOPやポスターのデータを利用することができます。また大量印刷が必要な場合は、同じサイト上に置かれているPDFの依頼書からファックスで見積もりや印刷を注文できる形式を取っています。 「WebNativeのメリットは、当社が他都県のクライアントへ営業提案できるのはもちろん、コンテンツが一元管理されていれば、クライアント自身が他都県に進出する際にも簡単にデータを流用する手助けになります」(本間氏)
■外部デザイナーとの協力体制
ランドマークプレスではWebNativeを介した外部のデザイナーとのデータ集配信を通じ、この1、2年で売り上げが伸びていると言います。
「デジカメ入稿のほか、デザイナーとクライアント間の校正のやり取りがWebNative上でPDFデータを使用して行われるようになりました。クライアント側からも好評を得て、そのまま校正済みデータの製版を当社に発注いただく場合も増えました。WebNativeを使い始めてから自然に顧客の囲い込みが行われているのを感じます」(本間氏)
そのほか、都心を中心に業種を問わずさまざまな顧客がコンテンツ管理やPDFでの校正フローにランドマークプレスのサーバ領域を利用しています。「距離を感じず営業活動が行えるようになり大きなメリットを感じています」(本間氏)。
■PDFワークフローの充実を目指して
今後ランドマークプレスの課題として、PDFを活用したワークフローの充実を挙げています。「今話題になっているPDF/XとVentureを利用したフローの自動化を実施や、地元の協力会社の間で主流になっているTrueFlowの運用への対応、また最終データをOutlinePDFにしてフォントを問わず印刷できるようにすることで、例えば印刷だけは中国で行うということを可能にしたり、PDFでの在版管理も行うようにする…など、PDFの多くの活用方法が考えられます」「ランドマークプレスの目指すものは、『クライアントの作業の手間を省き、コストを削減する』ということです。WebNative・Ventureの仕組みをうまく利用しながらお客様をサポートすることで、良い品質のコンテンツを提供し、信頼を得ていきたいと感じています」(本間氏)
・このソリューションレポートは,ビジュアル・プロセッシング・ジャパンが発行する
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■関連情報
株式会社ランドマークプレス
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『プリンターズサークル』2006年5月号より
(2006年6月)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)