営業の「売上金額」だけを見ていませんか?

掲載日:2015年9月9日

営業任せっきり体制で企業は成長できるのか?

印刷需要が減少傾向にあるなか、印刷会社はどういった取り組みをするべきだろうか。
これまで社外で行う営業活動は、ブラックボックスのままであり「見える化」が実現していないケースがほとんどだ。
日々現場で動いている営業は、顧客からの厳しい交渉、他社との受注競争に加え、印刷通販とも比較され疲弊している。しかも競争に勝つための手段は価格以外に見つけることが難しく、設備の稼働率を維持するためやむを得ず低価格受注に至る営業に存在価値はあるのか、という意見もあるくらいだ。

しかし、印刷需要は減っても顧客の悩みは多様化、複雑化して顧客のもつ課題自体は増加している。
・顧客の接点である営業はどう立ち向かうべきか?
・印刷通販にはない高く売るための対面営業の魅力とは何か?

顧客は営業とのコミュニケーションを望んでいないのではなく、単なる印刷物の発注だけなら介在しなくてもよい、無駄に多くの時間をかけずに仕事を済ませたい思っているだけだ。営業不要論とは異なり、顧客は悩みを相談できる営業とのコミュニケーションを望んでいる。その相手は営業とは限らないが、取りあえず印刷営業はもっとも近くにいる存在である。そして顧客が悩みの相談相手として、印刷営業を指名するかは、営業の日常の行動にかかっている。

例えば、顧客と営業との関係性はどうだろうか。自社と重要顧客との取引関係が順調かどうかを、受注額だけで評価していないか? 重要顧客の担当者と自社営業との人間関係は良好か? 会社としてどこまで把握しているか?  どうすれば改善するか?など課題は山積みだ。

顧客から見て「実のある接点」を作ることが大変重要である。個々の営業に「売上金額」だけを指示し、どのタイプのどのようなニーズを持っている顧客に、どのような情報提供を行い、良好な関係を作り、どうやって情報収集をして、どのような提案を実施し、需要を顕在化させ受注していくのか、を営業だけに任せっきりにして、結果としての売上金額だけを見るだけでは印刷会社が成長できるとは思えない。

印刷需要が減少傾向にあり、顧客の悩みは多様化、複雑化する中で、「顧客接点を活性化」し、会社として持てる能力を結集し、何らかの解決策提案型の需要創造を目指すのであれば、まず営業の「思考と行動の見える化」から始めるべきだ。
せっかく、営業という貴重な人間が出向き、動いているのだから印刷通販にはない活動の魅力を存分に発揮すべきである。営業がブラックボックスのままの環境では業績が上向くことは難しい。

(西部支社長 大沢 昭博)

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