マッコート紙はなぜ乾燥が遅いのでしょうか。(259)

掲載日:2014年9月15日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:紙

 

マッコート紙はなぜ乾燥が遅いのでしょうか。(259)

【概要】
 マッコート紙は何故乾燥が遅いのでしょうか。また、マットコート紙にマッコート用インキを使うと何故良いのでしょうか。インキの特性等についても具体的に詳しく教えてください。

 【解決方法】
  乾燥が遅い理由の第1は,マッコート紙はアート紙に比べてインキ盛り量が多いからです。用紙表面がマット状なため,インキ量の係数としてアート紙1.0に対しマットコート紙1.4と約40%多くインキを盛らないと、必要濃度が得られないからです。 第2の理由は,マットコート紙のPHは4.0~5.5の間で酸性タイプが多く、酸性によるインキ乾燥の遅延が考えられます。

マッコート用インキは、通常のインキより顔料が多く入っているため濃くなっています。ドライヤー・裏移り防止剤も多く、また表面強化剤のワックスも入っています。これにより、通常のインキの盛り量と同じ程度でアート紙と同じ程度の濃度が得られます。また、裏移りやインキの擦れの問題も解消されています。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)