それに対してマイクロソフトは、背に腹は代えられないと必死にさまざまな領域に投資している。ChatGPTを開発したOpenAIとも資本を含めたパートナー関係を結んでおり、劣勢に立つ「Bing」にChatGPTの技術を注ぎ込むことになったわけだ(これは、マイクロソフトにとって久々のヒットとなった。経営陣が意図したものかどうかは「?」だが、結果的には成功)。今までは「検索エンジンの使い方」を学校の授業で教えたりしていたのに、今後は普通の話し言葉でも操作が可能となる。プログラムなどの制作は当たり前、芸術作品の創作も可能になるということなのだ。ワタシテキには、「大学のレポートや作品評価をどうしようか?」と熟慮中である。
ChatGPTばかりが有名になり、お堅いNHKや有名新聞社は「固有名詞は?」と難色を示し、「会話型AI」「チャットAI」などの表現を用いてきたが、最近では「生成AI」に落ち着いてきたようだ(会話型AIの方が?)。開発元であるOpenAIでは、文章生成系の大規模言語モデルGPT-3を進化させたGPT-3.5を対話向けに改良しているが、最新のバージョンがマイクロソフトでも使用されている。
産業革命はブルーカラー層に大きな影響を与えたが、この生成AIはホワイトカラー層にも大きな影響を及ぼすと考えられている。マネージメント層が「さまざまな事例に応じて的確な判断を下しています」と言ったところで、しょせん経験則から確率的に導き出している解なのである。いくら判断力と言ったって、AIにできなくもない。要するに、生産性を高めるためにホワイトカラーまで機械化でき、省人化ができるのなら、経営者層やホワイトカラートップの人たちは大喜びというわけである。