8月の売上高は+1.7%、3カ月連続プラスは2014年7-9月期以来11カ月ぶり。
2015年7月以降、全体としての売上高は安定しているが、会社ごとのバラツキは大きい。全体の15%近くが売上高1割増以上となっている。
地域別では、首都圏(+1.3%)が2カ月連続のプラス、2カ月連続の伸び率続伸と堅調に推移。また、大阪圏(+7.5%)も2カ月ぶりのプラス、全国で最も高い伸び。好調だった名古屋圏(△1.6%)と甲信越静(△1.5%)は、3カ月ぶりのマイナスに転じた。
8月は為替が急激な円高に振れ、世界的に景気減速を示す経済指標が散見され始めた月に当たる。輸出産業主導で好調だった中日本の経済に変調が現れたか、全国への波及が懸念される。
業種・業態別では、商業印刷(+0.6%)が3カ月連続で堅調。出版印刷(+12.8%)は好調だが、今回は回答数がやや少ない。総合印刷は4月から5カ月連続で安定推移、2014年10月頃からこの3月まで落ち込んでいたが脱した。その他(事務用・包装等)は業種・業態別で最も好調を継続。
受注件数は+2.9%と6月(+1.2%)を上回って2015年の最高となった。受注は、特に商業印刷、そして従業員数100人以上規模の中堅以上で好調なようだ。
用紙仕入額(+6.2%)は2カ月ぶりの高水準。インキ(+7.6%)、CTP/PS版(+7.9%)も同様に高水準。労働時間が2カ月続伸であることから、工場稼働率が多少高まっている可能性がある。
【印刷会社経営者の声】
■ 茨城:商業
2011年の東日本大震災の復興中なのに、また大きな水害が出てしまいました。組合仲間の同業者に出来る限りのサポートをしていきたいと思っています。
■ 長野:総合
提案型の営業力が求められています。まず設計とデザイン、製品のコストなどトータルなものづくり、さらに販売促進の提案ができるかどうか、営業力が試されます。トータルクオリティコントロールで販促までできれば成功。目標達成も可能。
■ 岐阜:紙器
横綱白鵬が3日目から休場した。会社は状況が厳しいからといって休場することはできない。毎日が「待ったなし」である。
■ 岐阜:総合
先日、2017.3卒見込者対象の就活イベントに参加したが、中小企業志向の学生も多く見られた。企業規模だけでなくやりがいや生き方を真剣に考えている若い人たちにこちらが刺激を受けました。魅力的な会社にしていかなくてはいけませんね。
■ 和歌山:商業
郷土の偉人松下幸之助翁が唱えた「景気よし不景気またよし」。受注減時に蓄えたスキルやノウハウが繁忙状態になっても効率的に寄与しています。
■ 福岡:商業
これまで同様、印刷業界全体としての動きは少ない。従来の一般PRの印刷から、製本・冊子などの仕事が増えてきている。