新年のご挨拶~印刷業界からマーケティングへの挑戦

掲載日:2016年1月6日

新年明けましておめでとうございます。JAGATは2016年も二月のpage2016を皮切りに、新しい印刷の価値観に挑戦してまいります。

新しい価値観とは、一言でいえば「マーケティング分野への挑戦」であり、21世紀の印刷業界にとってその関わり方は様々なれど、マーケティングは必要な素養と考えています。

マーケッターが、ターゲットを予想して、その予想ターゲットに対して最小公倍数に対して接触するのがこれまでの方法だったのですが、インターネットやPOS、その他情報(クレジットカードやポイントカード、本来なら交通系カードは最強だが)を使えば、かなり正確にターゲットを絞り込み、個別にアプローチすることが出来ます。そしてそれを実現する方法がインターネットだけではなく、デジタル印刷なら可能だということなのです。

例を挙げればたくさんあります。例えば一昔前なら「まったく非現実的」と一言で片づけられてしまったBook of oneとかOne to one (DM)などが、真面目に議論されるまでになってきたのは大きな変化です。特に後者はマーケティング無くしては意味のない分野です。

今後はカタログ類やパンフ類もこの分野に入ってきて、その比率が高まることが予想されています。前者だって、ターゲットがハッキリすれば、その生産方法だって初期ロットが500部で、その後10部ずつ印刷とか、50部ずつとか、この本はロングテールで完全なBook of oneで行くとの方針が決まってくるはずです。

もちろん海外、特に欧米でしっかりビジネス化している実績が、この議論のバックグラウンドにはあるわけです。欧米ではインターネット一辺倒のケースよりも、紙も使ったケースの方が効果を上げているのです。こういう事を言うと「やっぱり紙だ!」と短絡してしまうのが印刷業界の常なのですが、決して「紙は最強だ」ということではなく、インターネットやITの有益な仕組みとリンクしてこその、紙であり印刷だということを忘れないでいただきたいと思います。

本来印刷が得意なマスコミュニケーション分野だって、近未来の印刷にとっては、印刷だけ独自に存在し続けることは不可能であるということです。マーケティングが有っての生産技術であり、品質であり、スピードです。マーケティングとの係わり方は、印刷会社の規模や職種、立場によって異なってくるでしょうが、カタログやパンフだってターゲットを絞り込んだ小ロット(極小ロット)になっていくことが充分考えられるわけですから、この辺は今のうちに準備しておかなければなりません。

そんなことをしっかり考えるのがpage2016の基調1「マーケティングオートメーションと印刷ビジネスの未来」です。最新のマーケティングの考え方や技術を解説し、そのマーケティング理論をどのように応用し、どのように印刷業界に役立てるのか?を考えていきたいと思います。

2015年度の締めくくり、そしてこれからの印刷業界、JAGATの将来の始まりとして、今回のpage2016は特別な意味を持ったイベントと言えます。そのスタートが基調1「マーケティングオートメーションと印刷ビジネスの未来」なのです。

JAGAT専務理事 郡司秀明

関連セミナー:page2016基調講演1

「マーケティングオートメーションと 印刷ビジネスの未来」

マーケティングオートメーションを日本で実践してきた庭山氏を囲んで、小ロットビジネスを成功させてきたスピーカー達と日本におけるマーケティングオートメーションの実際と印刷への応用方法について具体的に議論する。