早いもので成人式も終わり2016年も本格始動になった。これからの時期、年度末から新年度の準備にかかる企業も多いことだろう。JAGATでは、冬の恒例一大イベントpage展(2/3~2/5、池袋サンシャインシティ)の準備に大わらわの時期だ。
今春、新入社員が入社予定の企業では、受け入れ準備もあるだろう。真新しい新人をどのように教育し、いち早く必要な人材に教育するかは企業にとって重要ポイントだ。
相変わらず減らない入社3年以内の離職率
近年、新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移をみると、3年以内に高校卒では約4割、大学卒では約3割の退職がある。中でも30人未満の企業では、3年以内に5割を超える離職率というのは驚きだ。
ひと昔前、就職後3年以内に中学卒の7割、高校卒の5割、大学卒の3割が離職する、いわゆる七五三現象という言葉も耳にしたが、現在ではおおむね六四三現象といったところだろう。この原因は、やりがいや環境、処遇などがあげられるが、想定とのギャップとミスマッチによるところが大きいと考えられる。
また、終身雇用や年功序列という制度が維持しづらくなった現在では、若年社員は以前のような会社への忠誠心や帰属意識は薄れてきている。まして、失われた20年のあいだに生まれ育ったいまどきの新入社員は、社会や経済への不安感が強く、ベテラン世代の価値観と異なるのは至極当然のことだろう。
したがって、企業側も学生側との間で現実に沿ったコミュニケーションの成立を目指している。なんと、大阪では学生が企業側(社長や人事担当)と飲食をともにしながら飾らず、互いを深く知るためのガチトークができる「ガチ就」という新たなスタイルもある。
受け入れ側にも準備が必要だ
採用後の新入・中途社員の早期戦力化は実現できているだろうか?
人材教育の中でも、高い意欲とモチベーションを持つ新人の早期戦力化は大切だ。新人が継続的に成長していくためには、自社や業界の情報はもちろん、早期段階における仕事の基礎や知識の学び方にある。
新入社員の教育手段は、比較的手軽に実施できるOJT(On the Job Training、仕事上指導)がお馴染みだ。しかし、有効に機能しているケースはそれほど多くはない。そもそも「見よう見まね」や、「手取り足取り」育成では主体的に行動する人材は育たない。
しかし多くの企業では、新人教育は入社後の短期間で済ませ、その後の育成は現場任せになりがちだ。したがって育成のスピードや教育効果は、配属先の先輩社員やリーダー・管理職の能力、力量によって大きく変わる。
いち早く、自ら考え、動く、即戦力の人材に育てるにはノウハウがある。またOJTの効果を大きく左右する要因は事前準備にある。すなわち新入社員を受け入れる側も準備して、まっさらな新人を早期戦力にするノウハウを身につけることも重要だ。教育途中に辞めてしまうという大打撃を避けるためにも受け入れる側にもそれなりのスキルが必要ではないだろうか。
(西部支社長 大沢 昭博)