マーケティング重視になるということはこういう事

掲載日:2016年1月27日

page2016ではマーケティングに着目して見たり、聞いたり、体感いただきたい。そういう風に言われるのは理解できるのだが、イマイチ釈然としない方がほとんどだと思う。そんな方にも納得できるカンファレンスや展示を心がけている。

 「マーケティングが大事になる」とは、みんな言っている話だと思うのだが、マーケティング嫌いの印刷業には耳の痛い話である。しかし、マーケティングの本場、北米での印刷物使用量でいうと、Google等のITの権化のような会社ほど印刷物を上手く使っているのだ。

DM大賞の受賞会社は軒並みIT企業であり、こういう会社は「印刷物vs.インターネット」などという考え方は絶対にしない。「印刷物&インターネット」、もしくは「印刷物×インターネット」といった掛け算的な展開をするのが優良IT企業の常である。

通販会社でカタログと言えば、店舗みたいなものだから重要なのだが、一昔前には分厚い総合カタログを誰それかまわず配っていた。さすがに反省したのか、商品分類ごとの分冊が前提になっているものが多い。

しかし、現在の北米はどうか?というと、マーケティング、特にMA(マーケティングオートメーション)とリンクして、Webでの接触具合(CRM)のデータから、ターゲットの特性を割り出して、そのターゲットに特化したカタログを作成することが可能になってきた。つまり顧客個人の嗜好や支払能力、その他の条件が加味されてのスペシャルカタログが作成できるわけだ。

そしてそんな特注カタログ(One to oneカタログ)を送付すると、今までのマスカタログとは比べものにならない効果が得られるのだ。だから北米では印刷物の価値が再認識されている。これも少し前、保険屋のおばちゃんが持ってきたバイオリズム情報みたいなものを連想するとOne to oneに対して良いイメージを持たれないかと思うのだが、ダイレクトマーケティングのテクニックも格段に進歩して、かなりレベルの高いカスタマイズカタログが作れるようになってきたのだ。

これをマーケティングの世界ではリードナーチャリング(顧客を育てる)とか、リードジェネレーションと呼んでいるのだが、こういう段階では印刷物の活躍の場は多い。また最終段階やファンとして長く付き合っていくのには、印刷物は最適なメディアである。こんなカタログ制作に参加することこそ、未来の印刷ビジネスと思うのだが、いかがだろうか?

そんな印刷物の未来を実例付きで解説するのが基調講演1「マーケティングオートメーションと印刷ビジネスの未来」だ。そしてG2「最新動画と印刷ビジネス」は先ほどのリードジェネレーション(見込み客集め)段階で動画を使用し、リードナーチャリング段階の印刷物に繋げていく手法を解説いただけるはずだ。印刷会社が動画ビジネスをはじめて成功している会社は多いが、印刷まで落とし込まないと印刷会社の儲けにはならない。そんなノウハウまで解説いただけるはずだ。

そしてPM3「再評価、新展開のDM最新事情」は、そのものズバリで、マーケティングビジネスとリンクするかによって印刷ビジネスが広がるのか?についた、突っ込んだ議論が聞けるはずである。スピーカーの皆さんは誰よりもこの辺に長けている方達であり、営業手法に関しても具体論が聞けるはずである。

(JAGAT専務理事 郡司秀明)

関連page2016カンファレンス

【基1】マーケティングオートメーションと 印刷ビジネスの未来
なマーケティングの変化の中で、印刷ビジネスがどのように変化し、MA 等の新概念と結びつかねばならないか?日本を代表するマーケティングオートメーションの専門家である庭山氏にお話を伺い、氏を交えてPOD を推進している経営者と共に印刷ビジネスの未来を議論する。

【G2】最新動画制作と印刷ビジネス
<印刷会社の動画ビジネスの始め方>スマホの普及により動画広告・配信のニーズが急拡大している。印刷会社の動画制作ビジネスには印刷メディアとの連携という優位性があり、差別化が可能である。印刷から動画、動画から印刷受注への展開を議論する。

【PM3】再評価、新展開の進むDM最新事情
<データ分析、CRM、ターゲティング、バリアブル印刷の可能性を探る> 広告キャンペーンの主流がクロスメディア型にシフトする中、行動喚起に強いDMは起点として、またビックデータ活用の出口メディアとして、再注目されている。バリアブル印刷の新たな活用可能性などを模索する。