展示会の来場者は初日から2桁の大幅増、基調講演・カンファレンス・セミナーも例年を上回って賑わい、印刷とマーケティングオートメーションの関係に関する議論などが深まった。また、page2016開幕に合わせて4冊の新刊が会場で発売開始された。
展示規模が2年連続の拡大、多彩さを競う出展内容
2月3日、通算29回目となるpage2016が開幕した(~2月5日)。展示規模は145社510小間と2年連続の拡大。印刷メディアビジネス関連の最新サービスやシステムが一堂に会する。今回のpage2016は、昨年9月のIGASから今年5月開幕のdrupaへ向けた中間の時期にあたり、各メーカーの意気込みを見ることができる。また、小松総合印刷(長野)、亜細亜印刷(長野)、和歌山印刷所(和歌山)など特色ある地方有力印刷会社や紙卸商、製紙会社の出展も年々増え、2~4Fの3フロアに渡る展示は多彩さを増した。また、フロアレイアウトも来場者視点で今回から相当に見直された。
初日の来場者数は10%増、印刷業界以外からも幅広く
初日(2月3日)の来場者数は昨年より大幅増(+10.0%)の19,410人。1日目から多くの人で賑わい、来場者側に旺盛な投資意欲、技術・サービス動向への関心の高さが窺われた。社会学習なのか、高校生や学生など印刷業界以外の姿も見られた。pageは開催場所が都心であることに加え、印刷だけでなくデジタルも含めたグラフィックアーツ全般を展示対象にしているため、発注者など様々な来場者が気軽に訪れることが一つの特徴だ。
注目テーマを特別ゾーン設定、全国印刷会社のフリーペーパー展示コーナーも
毎年人気の「クリエイティブゾーン」、関心の高まる「パッケージ・ラベルゾーン」、『未来を創る』で取り上げた「マーケティングソリューションゾーン」など特別ゾーンを今回も企画した。特設展示の「印刷会社のフリーペーパー」コーナーでは印刷会社が発行主体のフリーペーパー全国35紙誌を展示。印刷会社は地域における最有力な地域活性プレイヤーの1人であり、現代印刷会社の単に受注生産に留まらない事業領域の広がりを印刷業界内外に訴求しようとの意図である。
印刷の未来を議論するカンファレンス、未来を創るセミナー
基調講演・カンファレンス・セミナーは3日間で全40本近くを開催する。初日は基調講演「マーケティングオートメーションと印刷の未来」が特に多くの来場者を集めた。また、動画や自社ブランディングに関するカンファレンス・セミナーも人気を博した。動画は昨年から印刷会社の仕事になりつつあるようだ。JAGATはデジタルを積極的に取り上げるが、印刷ビジネスとのシナジーはどのようなものか、最後はどのように印刷物に引き付けるか、といった視点を実は重視していることに理解をいただきたい。2日目、3日目以降も数多くのセッションが開催される。
page2016で新刊書籍4点を先行発売
例年、pageに合わせ印刷ビジネス関連の新刊が出版されるが、このpage2016では新刊書籍4点が先行発売されている。会場では印刷ビジネスに関する最新情報・最新データをいち早く手にすることができる。「デジタルハンドブック」はメディア業界、特に今まで紙メディアで働いてきた人たちにとって有益な情報を提供する。「印刷会社と地域活性Vol.3」は地方創生や観光、フリーペーパー、インバウンドなどを取り上げた。「印刷料金」は昨年からオフセット印刷だけでなくデジタル印刷料金まで盛り込まれている。
新刊書籍4点のタイトル
『デジタルハンドブック いま知りたい30のキーワードと10の事例』 日本印刷技術協会 2,160円
『印刷会社と地域活性Vol.3』 日本印刷技術協会 3,888円 (JAGAT会員特価 2,571円)
『カラー図解 DTP&印刷スーパーしくみ事典 2016』 ボーンデジタル 4,104円
『印刷料金 2016年版』 経済調査会 3,703円