JAGATは4月4日~25日の期間で、東京会場および大阪会場で2016年度の新入社員研修を開催した。研修の様子をレポートする。
東京会場では、「新入社員養成講座」(60名)「印刷製作入門講座(講義編)」(137名)「印刷製作入門講座(実技編)」(48名)「人間関係と仕事が上手くいくコミュニケーション講座」(30名)、大阪会場では「新入社員養成基礎講座」(30名)を実施した。※( )内は参加者数
■重要さが高まるコミュニケーション力
今年、改訂されたのが「人間関係と仕事が上手くいくコミュニケーション講座」である。社内のコミュニケーションがうまくとれていないためミスが起きやすい、異なる部署間での連携が難しいなど、組織におけるコミュニケーションの問題の重要さがますます高まってきている。また新入社員のうちから、職場環境や客先との関係づくりを積極的に行うことが出来るようになれば、本人の成長を促し、モチベーションUPにもつながる。
本講座では、社会人として意思伝達がスムーズにできるようになるだけでなく、「より良い人間関係を築き、良い成果を生み出せるようになる」ことを目標に、コミュニケーションスキルの習得を目指している。
社会人として一歩を踏み出したばかりの新入社員たちが「自分はどういう人間か」を振り返るところからスタートし、仕事をすすめる時のコミュニケーションの取り方、「聞き上手」になるコツ、人との関わり方、ワークを通しての「質問」「提案」「要望」の実践、最後は1年後の目標設定に取り組む。ワークは主に参加者同士の対話を中心に進められる。自分を知り、相手を知り、コミュニケーションの基本を少しずつ体得してもらう。
参加した新入社員たちからは様々な感想が寄せられた。
・営業職として、お客様の信頼を得るための「第一印象」の大切さを知ることが出来た。
・ロールプレイングを通して「伝言の伝え方」「仕事を頼まれた時の対応」など、具体的に体験できたのがよかった。
・「相手に苦手意識を持たず、きちんと向き合う。仕事を教えたくなるような社員になる」が印象に残った。
・「自分を知る」ということは難しいテーマだったが、様々な参加者との会話を通して、自分自身を客観的に 掘り下げることが出来たと思う。
・自分のコミュニケーションの方法を見つめ直し、自分の特性、特徴を仕事に活かすという視点を得ることができた。
最初は初対面同士で、緊張しながらの会話が続いたが、次第に笑顔も多く見られるようになった。また社会人としての不安やコミュニケーションの取り方への迷いなど、講師への率直な質問も見受けられた。
コミュニケーション次第で、仕事の進め方やその成果にも関わってくることを実感したのではないだろうか。今後現場での実務を通してさらにコミュニケーション力を磨き、仕事へ活かしていっていただきたい。
■印刷物製作体験を通して必要な工程を学ぶ
「印刷製作入門講座」では、講義に続く実技研修において、DTP制作や、オフセット印刷機の操作など、印刷物ができるまでの製作工程を実体験する。
研修の総仕上げとなる実習の3日目は、日本プリンティングアカデミーの協力により、印刷物製造現場と同様の設備を活用しながら、企画から撮影、デザイン、DTP作業から印刷までの工程を一通り体験し、「メッセージカード作り」という課題にチャレンジしてもらった。
DTPに不慣れだったり、印刷機を初めて扱う新入社員たちも、作品づくりを通して、印刷工程の全体像をつかんでゆく。印刷機を動かしての実習は、製作現場から離れた営業職においても、刷り出しや校正時のチェック等、後々経験として役立つはずである。
印刷物製作体験実習の受講者の感想からは、見ることのない現場での体験に接し、印刷物への興味を深めたようだ。
・驚くほど精密な工程で印刷物が製作されていることを実感した。営業として知っておかなければならない知識。
・自分たちを撮影したデータを素材として、どのように加工され、印刷物が出来上がっていくのかを直接見ることができ、その手法とプロセスがとても興味深かった。
・初めてのDTPソフトの操作は難しかったが、自分たちで画像を修正したり、チラシの内容を考えたり、作品作りが楽しかった。
講義、実技とも長時間にわたる研修であり、網羅すべき分野も多岐にわたる。一朝一夕にすべてをマスターすることは難しいが、この期間に学んだこと、見て覚えたことを、それぞれの現場における日々の業務の中で振り返りながら、少しずつ消化していってほしい。研修を終えて、ここからがスタートだ。身につけた膨大な知識を「生きた学び」に変えていっていただきたい。
JAGATでは、秋に「入社半年フォローアップ」や「営業日常業務」など新入社員フォローアップ研修を開講する予定なので、ぜひ参加をおすすめしたい。
(JAGAT CS部 教育サポートチーム 原 淳子)