クロスメディアの活用でワンストップサービスを提供

掲載日:2008年5月1日
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株式会社 タカヨシ
情報開発部 システム課 桜井 剛 様

受験動機と試験対策

私は2007年度からホームページ関連の提案業務に携わるようになりました。それまでは、DTP・製版設備を含めたシステム構築・運用やデータ変換作業な どを主な業務として社内で作業を行っていました。今までの業務と違うホームページ関連の提案業務に携わるにあたって、DTP・製版設備やネットワークだけ ではなく、ホームページやその他媒体の知識が必要だと感じ、独自で勉強しながらホームページ関連の提案を行っていました。同時期に会社でもクロスメディア についての勉強をすることを方針としていましたので、自分のレベルアップのために目標が必要だと感じ、クロスメディアエキスパート認証試験を受験すること にしました。

クロスメディアエキスパート認証試験を受験することを決めた後、試験対策が必要だと思い、ホームページや雑誌などで試験情報 を集めましたが、なかなか試験情報は集まりませんでした。実際には、出題範囲(カリキュラム)に対して模擬試験問題や過去問題が少なく、実際の試験が想像 できない状態でした。何から手を着けるべきか分からない、出題範囲が広過ぎる。知らないキーワードはインターネットで検索して調べました。また、第2部試 験については、クロスメディアエキスパート認証試験関連講座を受講しました。これは、試験対策としても役に立ちましたが、普段の提案活動においても考え方 など非常に参考になったと思います。以上のような試験対策を行い、試験に臨みました。

クロスメディアエキスパートを取得して

クロスメディアエキスパート認証試験に合格し、自分のレベルアップという目的は果たすことができました。また、まだまだレベルは十分とは言えませんが、提 案活動においても本当にお客様の事業に対して効果があるか、お客様の事業を考えた提案をするようになったと思います。クロスメディアエキスパートの試験 は、単なる知識の向上だけではなく、お客様の立場に立って考えるという意識の向上につながりました。

しかし、試験に合格しただけでは、ス タートラインに立っただけです。クロスメディアエキスパート自体ができたばかりで、まだまだ世間一般に認知されているとは言い難いのが現状です。現在、ク ロスメディアエキスパートを取得している人たちは、クロスメディアエキスパートという資格を価値あるものにする義務があります。そのためには、自分自身も 常にレベルアップしていかなければなりません。また、会社にとって求められる人材になってこそ、クロスメディアエキスパートという資格の価値が上がると思 います。私もクロスメディアエキスパートの資格を少しでも認知向上させることができるように日々努力し、そして、会社に求められる人材に成長したいと思い ます。

クロスメディアとは何か

ワンユースマルチソース、マルチメディア、メディアミックスとさまざまな言葉(キーワー ド)がありますが、それらとクロスメディアの違いは何なのでしょうか。私は、利用者(お客様のターゲット)に合わせたメディアの選択を行うことだと思いま す。お客様の視点に立ったキーワードです。

これまでのマルチメディアやワンユースマルチソースなど複数のメディアを扱う総称としてのキー ワードは、どちらかと言うとメディアを制作する側でデータの扱いが便利になる、作業が簡単になるという考えで、実際に利用する側の立場・視点でのキーワー ドではありませんでした。お客様のターゲットに一番見てもらえる、利用してもらえるメディアを選択する。それは、ホームページかもしれませんし、DMやパ ンフレットなど紙媒体かもしれません。お客様の事業やターゲット層によって、一番メリットのあるメディアは違うものです。印刷会社は、当然ですが印刷を中 心に物事を考えがちです。しかし、お客様は印刷物中心ではなく自社のターゲットに効果のあるメディアを求めています。お客様の事業に本当に役に立つメディ アを提案することが、今後、印刷会社に求められるものではないでしょうか。

これからはホームページ制作会社やソフトメーカーなど他業種が 競合になる場合も多くなるのではないでしょうか。ホームページを中心に考えられているお客様も多くなってきています。そういったお客様へ他業種からの提案 に対抗できるようにする必要があります。また、そういった他業種の企業とアライアンスを取ることも必要になるかもしれません。クロスメディアという幅広い キーワードの中で、お客様により良い提案活動を行うためには、他業種の企業とお互いが有益になるアライアンスを取ることも必要になってくるのではないで しょうか。

当社のクロスメディアへの取り組み

当社のクロスメディアへの取り組みとしては、現在、当社で行っているクロ スメディアの仕事を体系化し、クロスメディア事業を本格化させるプロジェクトチームを発足させました。参加メンバー全員が、クロスメディア事業が今後、当 社が発展していくための核となる事業と位置付けて、「クロスメディアを活用して、ワンストップサービスを提供し、お客様の事業の成功に貢献する」をテーマ に取り組みを行っています。ひと言でクロスメディア事業と言っても、さまざまなビジネスがありますが、当社では、テーマにもあるとおり、「メディアに関し てワンストップサービスを提供すること」「お客様の事業の成功に貢献すること」を目的として事業内容・サービスメニューを考えています。

具体的には「メ ディア・コンサルティングサービス」「ドキュメントの管理・運用サービス」「独自コンテンツの保有」の3つの柱をクロスメディア事業展開の中心として、戦 略の立案・活動計画の作成を行っています。中心となるものは「メディア・コンサルティングサービス」で、今までの紙媒体のクリエイティブな提案は体系的に 行っていましたが、お客様のターゲットに効果のあるメディアの選定・コンサルティング、効果測定や集計など、今までは個々の案件にそれぞれ対応していたも のをメニュー化・体系化し、ワンストップで提供するサービスをより充実させていきます。

今年6月中に新事業基本計画を作成し、その計画を 元に今後のクロスメディア事業のさらなる充実を進めていく予定です。本格的な始動はこれからですが、今後の当社の核になる事業と位置付け、取り組んでいま す。 これからの印刷会社は、ただお客様から言われたものを印刷するだけでは、お客様からの要望・要求にこたえられないと思います。印刷を中心としたメディア選 定から商品キャンペーンの施策・効果測定など、印刷の枠を超えて、お客様と一緒になってお客様の事業を成功させる印刷会社にならなければならないのではな いでしょうか。当社もクロスメディア事業を充実させ、よりお客様の要望・要求にこたえられる会社を目指して、今後も取り組んでいきます。

※本ページの内容は掲載当時のものです。