【クロスメディアキーワード】ブログ

掲載日:2016年8月9日
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クロスメディアキーワード【第14回】

個人の情報発信スタイルを支えるブログは、独自のジャーナリズムを可能にし、メディアとして価値を高めている。場所を問わず情報発信が行えるリアルタイム性の強いマイクロブログも登場し、生活者の情報接触時間に大きな影響を与えている。

ブログの登場

ブログが普及する以前、個人がWebコンテンツを公開する場合には、パソコンにインストールされているテキストエディターや、専用アプリケーションを使用 し容易されていた。インターネット上のアプリケーションサービスとして提供されるブログの登場で、個人が、容易に占有的なコンテンツ展開を行えるように なった。

情報発信が容易となることで、文章表現能力やコンテンツ制作能力に優れたブロガーが商業的なメディアと同等の情報発信を行うこと が可能となり、新聞や雑誌の購読率にも影響を与えるようになっている。ポータルサイトやコミュニティーサイトを運営する法人が、メディアとして価値のある ブログを集め、ブログ総合サイトとして運営することにより、ブログジャーナリズムの発展を後押しした。

ブログサービスの種類

ブログサービスには、ブログ専用の有料サービスのほか、独自ドメインがないポータルサイトの無料サービス、レンタルサーバーにアプリケーションをインストールして使用するものなどがある。
アプリケーションサービスとして提供されるブログの利用は、システムに関する特別な知識や技術を求められない。コンテンツ作成については、利用できるデ ザインや機能は限定されるが、ワープロによる文書データ作成と同様で、テンプレートに従い、文章や画像を配置することで、完成させることが可能であり、多 くの人々に利用されている。
一方、レンタルサーバーにインストールし利用するブログは、カスタマイズにより、レイアウトやデザインの変更のほか、様々な機能を追加することができる が、デザインやプログラミング、システムに関する知識が求められる。CMS(Contents Management System)で構築されたWebサイトと遜色ないサイト構築が可能であり、法人が事業活動における情報の受発信手段として、利用することが多くなってい る。

ブログの機能

「トラックバック」は、ブログの代表的な機能の1つである。トラックバックとは、別のブログにリンク を設置した際に、リンク先のブログ運営者に通知を行う仕組みである。発信している情報と関係のある他のブログと、連携や交流が可能になる。また、ブログで 公開されている記事に対し、閲覧者が意見や感想を入力できる「コメント機能」も代表的である。「コメント機能」により、ブログは双方向性のあるコミュニ ケーションメディアとなる。コメント入力者の名前欄に、自身のブログURLやメールアドレスの掲載が可能であり、「誘導」や「情報収集」などが可能である といった、コメント入力者のメリットもある。

有名なブログアプリケーションには、プラグインとして様々な機能がサードパーティーとなる法人や個人から提供されており、短時間かつローコストで、多機能なシステムを立ち上げることができる。

マイクロブログ

Twitterのような文字数に制限があるマイクロブログの登場により、個人の「気付き」や「感想」、「事象」などについて、即時的な情報発信が可能と なった。また、ケータイやスマートフォンなどのモバイル端末の普及や通信環境の充実などにより、場所や時間を問わずに情報の受発信を行える状況を生み、マ イクロブログの普及に貢献した。

高度情報化社会の生活者は、様々な情報への接触時間が長くなる傾向があり、情報の受発信源であるマイクロ ブログは、メディアとしての価値が認められている。マイクロブログからコーポレートサイトやSNS(Social Networking Service)への連携や誘導が可能であることから、話題性の高い情報がマイクロブログに投稿される傾向がある。放送局や新聞社、出版社などといったマ スメディアを運営する組織が、マイクロブログのアカウントを取得し、速報性のある情報配信を行っている。

ブログの問題点

ブログの活用は、「情報発信が容易である」「更新が容易である」「SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)対策も行える」など、様々なメリットがある。

また、様々なデメリットも存在する。ブログにより記事を日々公開すると、トップページの最新記事は、数件が掲載されるが、古い記事は掲載されない。した がって、閲覧者が過去の記事を読む可能性が徐々に低くなる傾向がある。過去の記事が「価値のある情報」であっても、専門的なカスタマイズを行わない限り、 PV(Page View)数は伸びない。

ブログによる情報氾濫

ブログの登場により情報発信が容易になったが、「価値のある情報」が常に発信できるとは限らない。安易な情報発信は、信憑性や公平性を欠く可能性を秘めており、ブランドを傷つける恐れもある。

誹謗中傷ともとれる情報発信を行っていしまった場合、閲覧者の反感を高め、企業が謝罪する事例があった。また、株の取引市場に大きな影響を与え、株価が暴 落する事例もある。さらに、著名人であると偽り、情報発信を行う事例も後を絶たない。検索サイトの検索結果表示では、探している情報が見つけにくくなると いった問題も起きている。

適切な情報発信に向けて

法人が事業活動の一環でブログを活用するのであれば、自己満足的ともいえる安易な情報発信を避ける考えも必要である。

コンテンツとして表現されている事が、全てであると解釈する閲覧者を生むことも考えられ、個人や法人を問わず、意図しない「印象」をブログにより与えてし まう可能性もある。「ブログ」で表現するコンテンツは、全ての情報の中で、インターネット上にあるごく一部であり、表現する内容については、十分な検討を したうえで、公開することが望まれる。

例題

次の文中の空欄[A]~[D]に入る最も適切な語句の組み合わせを下記の[解答群]から選べ。

新聞や雑誌、ポータルサイトなど、商業的なメディアへの執筆経験者が、ブログを活用し情報発信を行うことから、新聞や雑誌に匹敵するブログジャーナリズムが生まれた。ブログの著者は[A]と呼ばれることがある。

ブログツールは、HTMLコーディングを行い、FTPによりサーバーへファイルをアップロードするWebサイト構築と比べた場合、コンテンツ更新の容易さ や、複数ので編集が可能であるという点で[B]としての側面がある。利用者の多いブログツールは、様々な拡張機能(プラグイン)がサードパーティーから提 供され、HTMLコーディングを行った場合に対し、比較的に短期間、ローコストでWebサイトを構築することができる。内容的に関連した記事コンテンツに 対し、自身の記事コンテンツへリンクを掲載する[C]機能や、RSSデータを自動生成し、訪問者のRSSリーダーに[D]を自動的に通知する機能を備えた ものもある。

[解答群]
①A:ブロガー B:CMS C:トラックバック D:更新
②A:コメンテーター B:CMS C:トラックバック D:削除
③A:ブロガー B:EDI C:トラックバック D:更新
④A:コメンテーター B:EDI C:トラックバック D:削除

[解答]
①A:ブロガー B:CMS C:トラックバック D:更新

※本ページの内容は掲載当時(2014年5月9日)のものです。