4月の売上高は3カ月連続の増加となる+0.6%。ただし、売上高伸び率は2月(+2.4%)、3月(+1.3%)、4月(0.6%)と低下している点が気がかりだ。
受注件数は5カ月連続の減少。受注件数も売上高同様、減少幅が2カ月連続の拡大と印刷の仕事の失速傾向が濃くなっている。
地域別では、首都圏(+0.8%)が8カ月ぶりの2カ月連続プラスだがプラス幅は小さい。名古屋圏(△0.9%)は2カ月ぶりマイナス、受注件数(△3.1%)は12月以来の落ち込み幅。大阪圏(+0.8%)は2015年8-10月期以来の3カ月連続プラスと好調。ただしプラス幅は2カ月連続で縮小と失速傾向。
業種・業態別では、商業印刷(△1.6%)が2カ月連続の減速で3カ月ぶりのマイナスに陥った。出版印刷(+10.6%)は再びプラスになったが、月ごとの振れ幅が大きく不安定。地方に多い業態の総合印刷(+2.8%)は2カ月連続プラスと唯一安定している。紙器・事務・その他(△6.0%)は2016年に入って低迷が続く。
仕入額は、用紙(+5.0%)が7カ月ぶりの増加。一部で突出して多く仕入れた会社の影響か。インキ(+0.9%)は9カ月連続の増加。CTP/PS版(△1.5%)は2016年に入って減少傾向。
【印刷会社経営者の声】
■ 東京:商業
暑い日が続きます。エネルギーの効率化は利益に直結しますので「我慢して省エネ」から「費用対効果の高い省エネ」へと意識をシフト、職場環境と利益の両面で効果を上げたいと考えています。
■長野:総合
ミス・ロスの削減など利益をどのように創出するか、工場改善に向けて見える化を実行する。収益力向上のため工場環境も整える。情報共有化を一つの軸に位置づけ、品質と技術についての情報共有を進めて現場改善に生かします。
■ 岐阜:その他
平和を壊すのは「戦争」と「無関心」なのだそうだ。全社一丸となるためにまず大切なのは「無関心者」を無くすこと。これが案外難しい。
■ 岐阜:総合
自費出版の研修会に参加しました。参加者からは「お客様に直接喜んでもらえる」「人の人生に深く関われる」など、人のためになっていることを直接に実感できると報告がありました。印刷の仕事に携わっていることに誇りを感じられるひと時きでした。
■ 和歌山:商業
今年度の営業戦略として取り上げた「紙と電子の融合」の理解を推進するため、動画やAR活用法を制作より営業に発信しています。印刷物の付加価値を高めていきたいと思っています。
■ 山口:総合
地方における価格競争はまだまだ続く。
■ 福岡:商業
各地で行政関係の入札が繰り広げられているが、入札金額が一段と下がる傾向があり、仮に応札しても利益率は年々確実に低下していく。どこまで下がるのか予想もできない。