フリーペーパーを通して印刷会社の地域における役割を伝える

掲載日:2016年8月4日

フリーペーパーは地域メディアとして再評価されているが、地域外や業界外で知られる機会は少ない。印刷会社が地域社会のため主体的に発刊していることをもっと業界外に伝えたい。

印刷業界外から見た印刷会社のイメージとは

JAGATでは第3回となるフリーペーパー調査を行っている。JAGAT会員企業から集めたフリーペーパー・フリーマガジンを分析、印刷会社によるコンテンツビジネスへの取り組み状況、そして地域における印刷会社の役割を明らかにしようというものだ。

世間一般の印刷会社に対する見方は、業界内の人が思う以上に旧態然としたものだ。アンケート結果を見ると、「印刷会社はコピーをするところ」「印刷機が回っているイメージ」といったものが多い。「フリーペーパーを主体的に発刊している」「地域活性への意識が高い」などと紹介すると、新鮮に、驚きをもって受け止められることが多い。

フリーペーパーは印刷会社の能力や役割を説明するのに向いている

2015年調査では、その結果を早稲田大学・青山学院大学の講義で紹介、page2016の会場に特設展示コーナーを設置、書籍『印刷会社と地域活性vol.3』の誌面にて解説するなどした。

フリーペーパー・フリーマガジンの継続発行は、営業・企画・生産・デザイン・コンテンツ創造などデジタルも含めた総合力を必要とする。フリーペーパー・フリーマガジンはこれらすべての集大成なのであり、特に印刷業海外に向けて現代印刷会社の事業領域の広がりや能力をわかりやすく訴求するのに最適なサンプルになる。

昨年10月、大学で印刷会社のフリーペーパーを紹介している様子

2015年10月、大学で印刷会社のフリーペーパーを解説している様子

地域メディアとしてのフリーペーパー

フリーペーパー・フリーマガジンは有代誌のように全国的な出版流通網に乗ることがない。地域の情報と地域の広告によって誌面が構成され、地域の印刷会社によって生産され、地域の読者に配布されるという、まさに文字どおりの地域メディアである。

従ってフリーペーパー・フリーマガジンを見ていると印刷会社と地域の結びつき、印刷会社の地域における社会的な役割の見えてくる面もある。一方、たとえ良質なフリーペーパー・フリーマガジンであっても、配布エリアが地域限定であることから残念ながら地域外で知られる機会は少ない面もあり、調査などで集積させる意味は大きい。

全国印刷会社の多種多彩な個性あるフリーペーパー(2015年調査)

全国印刷会社の多種多彩な個性あるフリーペーパー(2015年調査)

高まるフリーペーパーへの期待と広がる役割

電通の調査「日本の広告費2015」によると、印刷メディアが全般に振るわないなか、フリーマガジンに投下される広告費の金額は増えている。地域活性・地方創世の必要性が高まるなか、地域に必要なメディアとして再認識されたことが背景の一つにある。

フリーペーパービジネスの活発化は、ナショナルクライアント獲得を目指したことで話題を呼んだ『R25』のような大部数の商業主義的フリーマガジンでなく、地域ブランディングやニッチ市場へのリーチを目的としたフリーマガジンの発行が各地で活発化して市場の構成が変化したこともあるし、裾野が広がったことも要因であろう。このようなフリーペーパー・フリーマガジンを取り巻く印刷会社の状況について、上記趣旨をお汲み取りのうえ下記調査にご協力いただければと願う。

(JAGAT 研究調査部 藤井建人)

■調査名
 第3回JAGAT印刷会社フリーペーパー調査に関する媒体募集

■媒体募集期間
2016年 9月 12 日( 月)必着

■調査参加・媒体応募資格
・JAGAT会員企業であり印刷会社であること。
・印刷会社が発行主体となっている媒体であること。

■応募いただいたフリーペーパーの活用例
大学など講義・セミナーでの活用、展示会での特設コーナーでの陳列展示、弊会発行出版物への掲載等

■フィードバック・応募特典
・媒体提供社には集まった全フリーペーパーの個別情報と統計分析データをフィードバックします。
・JAGAT主催のフリーペーパーセミナー(参加費10800円)に1社2名まで無料招待します。
 
■問合せ先
JAGAT研究調査部 フリーペーパー係
TEL:03 -3384 -3113
Email: