drupa2016を通して考えるこれからの印刷ビジネス

掲載日:2016年8月18日

drupa2016が終了してから2カ月以上が経ち、各業界団体やメーカー報告会も概ね終了し、印刷関連紙誌でのレポートなども一段落といった感じで、既にdrupa2016報告についてはお腹いっぱいという方もいるかもしれない。
しかし、真打ち登場ということで、JAGAT専務理事郡司秀明のdrupa2016レポートをJAGAT info8月号にてぜひご覧いただきたい。

現在、世の中的には「ポケモンGO」が大きな話題を集めているが、この成功を見るにつけ、印刷業界でも新たなビジネスを生み出すためのイノベーション的発想の重要性を感じる。ご存知のように「ポケモンGO」は決して最先端の独自技術のゲームではなく、実体はポケモンという20年にもわたって受け継がれてきたキャラクター・コンテンツと、AR技術(最先端技術とも言えなくもないが)や位置情報サービスなどを組み合わせたものだ。要は既存のコンテンツや技術だったとしても、アイデアと工夫でビジネスの可能性を拡げることができることを証明している。

同様に印刷業界にも培ってきたノウハウや磨き上げられた技術、蓄積されたコンテンツと新しい技術や機器を組み合わせることで、これまでにないビジネスを生み出す可能性はあるわけだ。そのような視点でdrupaを捉えれば、前号の紹介で語った「メシのタネ」を探すのが難しい状況になったというのは一面に過ぎず、依然としてこれからの印刷ビジネスを生み出すヒントを得られる印刷業界最大の展示会といえるのだろう。

  JAGAT info8月号では、7月号に引き続きdrupa2016について報告するが、少し趣を変えて、JAGAT専務理事の郡司秀明がdrupa2016で展示された機器などの傾向とそれらは今後の印刷ビジネスにおいて、どのように影響を与えていくだろうかという視点を交えて報告している。特に今回は各社が提案し、注目を集めたB1デジタル印刷機については過去のdrupaでのデジタル印刷機の流れを交えつつ、独自の視点で実際の生産機としての可能性に言及する。また、デジタル機による加飾加工での付加価値創造によるビジネス展開にも注目する。さらにソリューション的なものとして、「Print4.0」の提唱やHPの「Print OS」などは、まさに、これからの新たなビジネスモデルを生み出すだけのポテンシャルを持っているように感じられる。

JAGAT info8月号は、このほかに技術情報/グラフィックスの特別編として、印刷用紙の発注においてEDI導入により間接業務の大幅な効率化を実現した日経印刷の取り組みを中心に紙卸商側の対応を含めて紹介している。また、経営者インタビューには名古屋・近藤印刷の近藤起久子社長にご登場いただき、自社商品開発への想いや「見える化」への取り組みなどにとついて語っていただいた。

ちなみにJAGATもポケストップです。「ポケモンGO」をしている方は、JAGATに来訪いただく機会がありましたらチェックしてみてください。

(JAGAT info編集担当 小野寺仁志)

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