page2017の新企画として、印刷会社の出展ゾーンである「印刷パートナーゾーン」を開設する。
先日JAGAT「印刷総合研究会」の部会で、理想科学工業にdrupa2016でコンセプト出展をした「RISO T1」について講演いただいた。同社として初めての産業用インクジェットプリンターである「RISO T1」は、ロール給紙のインクジェットフルカラー両面機でありながら、7.3㎡というコンパクトさが特徴である。
一方、画質やスピードは中程度であり、「B1drupa」とも言われるほど大型機の出展が目立った今回のdrupaの中では、注目度はそれほど高くなかったかもしれない。しかし講演した技術担当者は、「品質・価格・生産性のバランスを考慮した結果、コンパクトさを重視した。」と明言した。技術者はとかく様々な機能を加えたがるが、マーケットを見据え、自社の独自技術を照らし合わせた結果誕生した新たなコンセプトだということである。
何かを捨てることで、かえって「ウチはこれが出来る」という事が浮き彫りになることがよく分かり、大変有意義な内容であった。
取材で伺ったある印刷会社の経営者が、「これから印刷会社がこれから生き残るためには、独自の技術と仕組みを持たなければならない。」と言っておられた。
今回のpage2017で実施する「印刷パートナーゾーン」は、まさしく印刷会社の独自の技術、仕組みとそれを生かしたサービスやソリューションを提案する場でありたいと考えている。
page展の来場者は印刷関連企業が7割近くを占め、「印刷会社同士でそれらを見せ合ってどうする?」「ノウハウを持っていかれるだけだ。」という声も無くはない。しかしA社の「これが出来る」という分野が、B社の出来ない部分を補完すれば、B社はB社の「これが出来る」に専念することができる。また、A社独自製品が、B社のお客さまに届くことで、新たな印刷発注者の獲得にもつながる。それが業界全体の活性化に繋がれば、主催者としてこれほどうれしいことはなく、そういう舞台を作りたいと考えている。
これまでに2回実施した企画説明会には多くの企業にご参加いただき、すでに出展申込もいただいている。また9/15(木)には大阪で企画説明会の開催を予定しており、首都圏以外の印刷会社様で、商圏を広げたいと思っている印刷会社様にもご参加いただきたい。
(CS部 堀 雄亮)