2014年10月3日(金)に公益社団法人日本印刷技術協会の会員大会であるJAGAT大会が東京目白の椿山荘で開催された。
久々の椿山荘だったのだが、時間に制約がない方にはやはり椿山荘の静寂は何物にも代え難いことを感じた。特に今回はJoe Webb博士をアメリカから招聘したので、Webb博士にとっては21年ぶりの日本ということで、椿山荘の庭園美が特に印象的だったようである。この頃は秋葉原や竹下通りのカワイイ文化が外国人に大モテのようだが、日本古来の美意識はインターナショナルだということを再認識させられた次第である。
当日の献立はWebb博士の「未来を破壊する」に準じて、印刷業界はどう変わらねばならないか?という講演を中心に組み立てられていたのだが、これまでの「企画力を持たねばならない」とか、「営業力やデザイン力を強化しなければならない」的なものではなく、「インターネットを中心としたWebに対抗するのではなく、Webを味方に付けてその周辺を厚くするビジネスを考えるべき」というものであった。個人的な意見もこれに賛成だし、JAGATもこれに準じたことを主張している。
Webb博士の主張の細かいところについては今後ゆっくり紹介していくので、しばしお待ちいただきたい。その前座として私が在庫を持たずにPOD出版ビジネスをしているライトニングソース社の報告をしたのだが、これについての反応も大きく、つい先ほどまであるメーカーのユーザー会に出席していたのだが、懇親会で多くの方から大きな反響をいただいた。
さて今回はWebb博士を招聘ということで、いつもは年末にやっている「トピック技術セミナー」を10月9日(木)に開催する。秋のイベント週間なのである。トピック技術セミナーは印刷技術の有馬記念なので今年のトピックを集約しており、技術的なものをまとめるには最適なイベントになっている。
また特別講演としてImpress R&Dの福浦取締役を講師としてお招きし、「出版社の望むPOD」というテーマでお話しいただく。出版社からの見方が凝縮されていると思うので、印刷業界やメーカーの方も必聴で、是非今後のビジネス構築に役立てていただきたい。福浦氏は私と一緒にライトニングソース社を観てきたので、私とは異なる価値観を持たれているハズで、出版社から観たライトニングソース評も聞くことが出来るだろう。
ライトニングソース社やWebb博士がどんなことを言ったか?については、いくらでも語れるし、今後露出していくのだが、単なるオーム的な繰り返しではなく皆さんと、本質や課題、解決策について議論できればと考えている。pageまでの時間、page2015で真剣な議論が出来るようにする第一段階が、トピック技術セミナーだと考えていただきたい。立ち見になっても(机は無理でも椅子は用意するつもり)お断りはしないので、是非おいでいただきたいと思います。
(JAGAT理事 郡司秀明)