page2017ではpageカンファレンスとしては久々に外人講師を招く。Ron Jacobs氏だが、マーケティング専門家の中で押しも押されもしない重鎮である。彼に北米のマーケティング最新事情を語っていただき、page来場者にマーケティングの必要性を感じていただきたい。
こんなことを書いているとRon Jacobs氏が随分気むずかしい学者のように思われるかもしれないが、私もお会いしたことはないのだが、メールでのやりとりや好きな食べ物のエピソード等を聞いていると、親日的な日本大好き米国人のイメージである。
食事には気をつけられているようだが、どうも鰻重がお好みらしく、今回page会場ではウナギのお弁当を用意している。豚肉は苦手というか、Jacobsの通りユダヤ系なので難しいのは納得である。しかし鰻重がお好きとは?ちょっとお茶目なマーケッターである。昼食会場には特別な会場を用意しているわけではなく、講師控え室の一角で会長・副会長といっしょに講師陣に混じって食べていただく予定なので、皆さんも直に見かけることがあるかもしれない。氏は本当に気さくそうな方である。
今回の基調講演では印刷ビジネスとマーケティングの相関関係をJacobs氏にハッキリさせてもらいたいと思っている。要は商業印刷にマーケティングは不可欠ということである。基調講演1,2,3はJacobs氏にちなんでマーケティングのホップ・ステップ・ジャンプとして考えている。
初日のJacobs氏の「基調講演1 ザ・マーケティング ~北米最新マーケティングメソッド」がホップ、つづく二日目の「基調講演2 デジタルとアナログの最適解~マーケティングオートメーションと印刷ビジネスの関係」がステップで、今注目のマーケティングオートメーションMAと印刷ビジネスのリンクを解説するものだ。
この辺のサポートを目的とするグーフの井戸会長(不二印刷社長でもある)の発言には注目である。三日目の「基調講演3 印刷の新たな挑戦~クロスチャネルと パーソナライズを考える」がジャンプだ。福島印刷と博報堂DYメディアパートナーズが互いに足りない分を補い合い、パーソナライズDMを出しているのは注目すべきコラボである。
トッパン・フォームズも新しいアイテムを多数用意している。また経営者のお二人には、印刷が変わる。そしてその印刷が変わることに対してどのような準備・決意をお持ちなのか?直に語っていただく。経営者の方には直接聞いていただきたい内容だ。
基調講演以外に、これは聞いていただきたいと思っているのが「G1 プリントマネジメントに学ぶ顧客との新たな関係~コストダウンの鍵は顧客との取引条件と厳格な運用にある!」である。単なるコストダウン以外にSLAというサービスレベルを明示した契約を交わすことで、印刷サービスをビジネスとして提供しようという姿勢である。このことを第二の外タレであるBradford Owen氏に語っていただく。
日本ではプリントマネジメント会社が印刷業界から目の敵にされていることはご存じのようだが、あえて本当にことを語って理解して欲しいと言うことである。合わせて英国等で上場企業がプリントマネジメント会社を選ぶ理由も注目ポイントだ。自分の会社のビジネスにとって参考になると思う。
もう一つが「G4 ユーザーコミュニティ(ユーザー会)の最新事例報告」である。「ユーザー会の報告かぁ」と馬鹿にする事なかれ、Dscoopは定評あるし、その立ち上げメンバーが新たに立ち上げたthINK(CANONのユーザー会)の評判がすこぶる良い。Kodakもしかりである。
要するに肝心な情報元がインターネットの登場で激変し、単なる情報ならネットから、ここだけの話はメーカーというより独立したユーザー会のクローズドな会合からということになっている。この流れはHPのDscoopが作ったのだが、そのエキスだけをいただこうというのがこのセッションである。特にDscoopの協同クリエーションの報告は、これからの印刷会社ビジネスを考える良い材料である。
POPやディスプレイパッケージ(梱包材を開けるとディスプレイになる)や飲料関連、今後この手の印刷物は増えることはあっても減ることはない。是非聞いて自分のところのビジネスを考え直していただきたい。
(JAGAT 専務理事 郡司秀明)