2017年2月8日、東京池袋のサンシャインシティでpage2017が始まった。
カレンダーの具合で、例年より若干遅いスタートになったが出展社数:159社、小間数:539小間で、前回page2016から14社19小間増となる。今回新設した印刷パートナーゾーンには、企業・団体併せて27社が出展する。
以上が展示会の数値だが、おかげさまで四年連続社数・小間数共に右肩上がりである。カンファレンス・セミナーの方も先週半ばに目標数字は達成し、ほっと胸をなで下ろしているところだが、大きな部屋に変えるなどして聴講者増にも対処しているので、基調講演などもっと多くの方に聞いていただきたいと思っている。当日受付も可能なので、お時間のある方はどしどし参加していただきたい。
今回の目玉スピーカーのRon Jacobsご夫妻も2月3日夜遅くに羽田に無事到着された。日本の前にはインド・東南アジアの暑いところを歴訪され、クアラルンプールから羽田にいらっしゃった。寒いシカゴにお住まいだから「蒸し暑い」のが、よほど恋しかったのだろう。シカゴは日本人がイメージするより、とてもオシャレで、美しい街だが、その寒さは北海道の比ではない。普通の日本人では想像できない寒さである。
翌日(2月4日)に打合せを行ったのだが、内容も分かりやすく要点を的確に説明されている。JAGATの希望として「ダイレクトマーケティング、デジタルマーケティングと印刷ビジネスを関係させて説明いただきたい」と伝えてあったのだが、期待値以上のレジメが出来上がっている。
本人もやる気満々で
「Ronさん、大体1時間20分くらいで説明してください。上限は90分です」
に対して、不服そうなので
「何分だったら大丈夫ですか?」
と聞くと、少し考えて
「92分あれば大丈夫」
とユーモアたっぷりに返すあたりは、本当に良識ある善良なアメリカ人である。
奥様も共同経営者でマーケティングを専門にしているので、羽田から東京都心のホテルまでタクシーに乗っている間、マーケティングの話で盛り上がってしまった。
打合せの際にも「JAGATは印刷業界、印刷会社にマーケティングの必要性を問いかけたいのです?!」と訴えたところ、Ronさんも大賛成で「印刷会社には実践的なマーケティング知識は不可欠で、北米(Ronさんの住む街、シカゴには大手商業印刷会社がひしめいている)でも、日本のようなことが言われている」と力説していた。
業界人を集めての会食も予定していたのだが、Ronさんが少し体調を崩されたため夜の行事は無しにして、その代わりご夫妻が日本滞在中に楽しめる日本酒(熟慮の上「いそじまん」にしました)を江戸切子のペアグラス(ぐい飲み)と一緒に、粋な風呂敷に包んでプレゼントした。とても喜んでいただき、高価なものではなくても、気持ちがこもっていれば「感謝の気持ち」は世界共通だということを再認識した。
Jacobs氏(ヤコブ氏)はその名前の通りユダヤ系で豚肉は苦手だ。ビールやコーヒーも口にされないのだが、宗教ガッチガチということではないらしく、お寿司も結構いける(食べ物に関してはお茶目なところが多い)。
講演日の昼食には、Jacobsさんの好物というウナギ弁当を用意している。こんなことも含めて、JAGATの印象、日本の印刷業界にとても良い印象を持たれている。今後共長い付き合いをさせていただきたいと思っている。
こんな感じで、もうすぐ開会式が始まるのだが、基調講演1に間に合わない方も、12:00からカンファレンスセンターRoom14前で、Ron Jacobs氏の著作「ザ・マーケティング」のサイン&即売会を行うので、こちらでサイン本を購入して読破すれば、直に話を聞くのとは違う効果が得られると思う。来られそうな方は是非いらしていただきたい。
そんな感じで今年もpage2017が始まったが、今回のカンファレンス・セミナーの出来も上々だと自負している。page直前だけの頑張りではなく、JAGATの一年間の成果がpageである。研究会の成果がカンファレンスとして、教育プログラムの成果がセミナーである。
特に今回は鉄板セミナーの人気が高いようである。会場を大きくして準備しているので、直接来ていただいても聴講可能である。ふるって参加いただきたい。
(JAGAT専務理事 郡司秀明)