地域活性におけるクラウドファンディング活用

掲載日:2017年4月13日

地域活性におけるクラウドファンディング活用が注目されている。テストマーケティングなど市場情勢の判断ツールとしてクラウドファンディングは有効だ。

「地域の『らしさ』」を打ち出すクラウドファンディング

「クラウドファンディングで地元を盛り上げたい」
「クラウドファンディングでイベントを立ち上げたい」
地域活性でクラウドファンディング活用が注目されている。

クラウドファンディングとは、起案者がインターネット経由で他の人々や組織に資金を提供してもらうことを指す。

日本では2011年ごろから「READYFOR」「Campfire」などがサイトをオープン。
 2012年には、地域・地方に特化したクラウドファンディング「FAAVO」がスタートした。

「FAAVO」のサイトを「地域活性」で検索してみると、
「iPadで糸島周遊 糸島の魅力を伝えたい!」 62万3,000達成
「『八王子流鏑馬』を八王子の新しいブランドに」 56万9,000円達成
「保育付きコワーキングスペースをつくる」 162万4000円達成
などさまざまな企画が出てくる。

FAAVOの特徴は、「FAAVO宮城」「FAAVO滋賀」などエリアオーナー制度をとっていることである。
地域単位でクラウドファンディングのサイトを運営し、運営者が各地域ごとに異なる。
2012年6月に「FAAVO宮崎」からスタートし、現在、全67エリアで展開している。

「なぜ、エリアオーナー制度をとったかというと、起案者に疑問が生じたとき、バーチャルなやりとりではなく、街に一番詳しい人にサポートしてほしいから」とFAAVO担当の北山さんは言う。

クラウドファンディングを始めるために必要な「システム」「運営ノウハウ」は、全てFAAVOが提供する。
1~2カ月程度で、「地域の『らしさ』」を打ち出すクラウドファンディングサービスを始めることも可能だ。

各地域の一般企業、NPO法人、金融機関、自治体などがエリアオーナー制度を使って、クラウドファンディングの運営を始めている。

事業性の判断、テストマーケティングなど市場情勢の判断ツールとしてクラウドファンディングは有効だ。

今後取り組みたい分野は「地域ブランディング」

JAGAT『印刷会社と地域活性vol.3』レポートによると、今後の取り組みで最も人気があるのは「地域ブランディング」(46.5%)で、約半数の回答を集めた。

この結果は、2012年冬に行った第1回調査から3年連続である。続いて、「観光支援ビジネス」(45.1%)、「商店街活性化」(43.2%)、「観光イベント」「地域オリジナル商品・キャラクター開発」(各39.4%)である。

印刷会社の強みは、地域に根差した高い情報力と人脈ネットワーク、情報加工技術、企業経営ノウハウなど様々だ。

これらの強みを組み合わせ、その地域ならではの魅力、「地域で暮らす」ことにまつわる住民の想いを引き出し、ブランド化、商品化しながら地域活性に結びつけることができるのは印刷会社以外にないのではないだろうか?

研究調査部 小須田紀子

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2017年4月27日(木) 14:00-17:00
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