印刷業定点調査 各地の声(2014年5月度)

掲載日:2014年10月22日

2014年5月の売上高は△2.6%と増税後2カ月連続のマイナス。4月の△6.8%に比べてマイナス幅は縮小した。

地域別には、名古屋圏をけん引役として中日本が早くも回復した。大阪圏も名古屋圏ほどの力強さではないが、回復傾向が見られる。
東日本は依然として落ち込み幅が大きい。首都圏は全国平均を下回るだけでなく、首都圏以北は10%以上の大幅な落ち込みである。

業種・業態別には、商業印刷の落ち込み幅が一番大きく、増税後の需要回復が最も遅れ、首都圏の落ち込みに影響していよう。紙器・事務・その他はいち早く増税後の落ち込みから脱却した。情報系より生活系の方が回復が早い。

従業員規模別には、増税後の2カ月連続で300人以上規模の落ち込み幅が最大になった。規模の大きい印刷会社は駆け込み需要も大きかったが、その反動もまた大きくなっている。

受注件数は△4.2%と4月よりも落ち込み幅が拡大、2013年2月以来の落ち込みになった。労働時間が△6.7%の大幅減だ。工場稼働が落ち着いてきたことを意味している可能性がある。

【印刷会社経営者の声】

・茨城:商業
小ロット化が進んでいるので、設備の更新時の判断がとても難しいです。

・東京:商業
4月に引き続き、活気の無い1カ月でした。

・長野:総合
多能工を育てています。自分が今できる仕事を中心に、少しずつその幅を広げていきます。企画・提案の仕事に関わっているなら「営業」もできるように作業の幅を広げるのが、多能工への第一歩。そして、自らが企画した商品を自分の手で販売するのです。さらに、制作、フォローまでできれば一人前です。

・岐阜:その他
勝負は「勝つか負けるか」ではなく「勝つか学ぶか」だという話を聴いた。負ける=失敗することでただ終わることなく、次の一歩を踏み出すきっかけと捉え、ミスに対して真摯に向き合いたいと思う。

・岐阜:総合
昨年の特需を補いきれず、大幅な減収となっています。固定費もUPしているため利益も注視していかなくてはいけない。7月以降の景況に期待しています。

・愛知:出版
「残業代がゼロ」!?社員のモチベーションが下がるような法改正には絶対に反対です。

・和歌山:商業
年始より取り組んできた2つの新事業がスタートしました。従来の「印刷」事業の販売チャンネルと媒体を見通した新商品で後半挽回したいと思います。