印刷会社は今、高品質の印刷物を作るだけでなく、お客様の販促支援や課題解決に向けた商品やサービスを提供していくことが求められている。お客様の要望に柔軟に応えられる営業を目指し、新人営業パーソンが20日間にわたる短期集中プログラムに取り組んだ。
印刷営業未経験者の早期育成を目指す短期集中講座「印刷営業20日間ゼミ」が、5月15日~6月9日の期間で開催された。
短期間で印刷営業の基礎をひと通り習得し、一人前の営業に近づくことを目標にほぼ1ケ月にわたって、①印刷物の製作知識 ②営業実務知識 ③仕事を円滑に進めるためのコミュニケーション能力 ④印刷ビジネスの拡張に向けた関連知識 ⑤企画提案の基礎知識などの5つをテーマに構成されたカリキュラムに取り組む。
座学だけでなく、印刷実習やコンテンツ制作、工場見学などの体験学習を交え、実務能力の強化を目的とした科目では、様々な演習を通して自ら考え、応用に活かす力を育む。知識習得だけでなく、20日間を通して、「お客様の要望に的確に対応するために、営業として何が出来るのか」を一人一人が考える力を養うのが目的である。
「仕様設計実務」(田中信一講師)の講義では、お客様の意図をきちんと反映させるための営業ツールである「制作仕様設計書」や「ページネーション」を課題にそって実際に作成する。また、「デジタルメディアの活用法」(影山史枝講師)や「企画提案の基礎」(伊藤直行講師)では、印刷物だけでなく各種メディアと連動させながら、お客様の課題解決に向けたソリューション提案の手法を学ぶ。後半はほぼ毎日、演習課題が出題され、受講者同志、意見を交わしながら、成果発表とハードな日々が続いた。
20日間の最期を締めくくったのは、今年から新たにカリキュラムに登場した「結果を出せる営業の秘訣」(布施貴規講師)である。研修で培った知識やスキルも、学んだだけでは活かすことができない。実際の現場で結果を出しながら、長く貢献していくためには何が必要か。
20日間の仕上げとして、「結果を出す営業」と「結果が出ない営業」の違い、お客様や社内から信頼され、愛される営業になるための考え方や方法をワークショップを交え、体得する時間となった。
20日間を完走した参加者の方からさまざまな感想をいただいた。
「自分がどういう考え方で今後仕事をしていくべきか、考えるキッカケになった。」
「自分の中で出来ていること、足りないことが整理できた。実践の中で克服していきたい。」
「全体を通して、体系だった内容の濃い講座だった。」
「他社の受講生と交流でき、様々な意見に触れたのが刺激になった。」
「印刷実習や製本加工の工場見学では、講義やインターネットで見ただけではわからない部分を確認することができて参考になった」
印刷営業未経験者対象ということもあり、新卒の営業職が大半だが、参加者の中には他部門から営業に異動になったばかりの方や、営業以外の職種で総合的に知識の習得を目指す方もいる。20日間ゼミのカリキュラムは新人営業職だけでなく、中途入社や後継者の方など、さまざまなバックグラウンドを持ち、新たに印刷業界でスタートを切ろうとするすべての人々に開かれている。
この一ヶ月を完走したひとりひとりが、今後現場での実践を通し、学んだ知識や経験への理解を深め、仕事において活かしていっていただきたい。
(CS部 原 淳子)