JAGATの行っている印刷産業経営動向調査では、経営戦略と業績の相関関係を探ろうということで、経営戦略を立てる際に関係するだろう項目について選択式のアンケートを行っている。『JAGAT info』8月号の特集では「印刷会社の業績と経営戦略」ということで、その調査結果の概要を報告している。
その中からいくつか紹介すると、印刷会社の経営者が「現在重視する事業領域」では「総合化」を志向する会社が最多で、業績も「総合化」がトップで、次が「専門化」となっている。
「もっとも妥当と考える経営スタンス」では、「印刷ワンストップサービス(印刷を軸に付帯サービスを一括提供)」が最多で、次点は「印刷専業」であるが、業績が良いのは「ソリューションプロバイダー(顧客の課題解決をビジネスにする)」で、成長性もトップ。次点は「BPO<業務受託>(印刷関連以外の周辺業務まで受託)」で収益性ではトップとなっている。ちなみに「印刷専業(印刷ものづくりに特化)」は業績で4位となっているが、評点は平均より低い。
「自社の市場ポジション」をどのように認識しているかでは、最多は「商圏や市場での隙間や他社との差別化を重視している」であるが、評点は平均を下回る。業績の良さでは「基本的に市場ではトップである」が1位で、次点は「商圏や市場でのトップ企業に追随している」。
財務面から紹介すると、「財務において重視する業績指標は、最多が「加工高及びその伸び率、加工高比率」で、以下「経常利益及び売上高対経常利益率」「総資本利益率(ROA)」「自己資本及び自己資本比率」と続く。業績が良いのは「株主資本利益率(ROE)がトップで、以下「投資対効果(ROI)「総資本回転率」「粗利益率」が続く。
このほか顧客の視点、内部プロセスの視点(生産部門、営業部門、マーケティング)、組織と人材の視点などから印刷会社経営者の思考を探っていく。調査結果の詳細報告は9月発行予定の『JAGAT印刷産業経営動向調査2017』をご覧いただきたい。
なお、9月27日(東京)、28日(岐阜市)、29日(大阪)に印刷総合研究会では「最新調査にみる印刷経営と戦略、設備2017~高収益印刷会社のかたちと戦略、その思考」ということで、本調査結果の解説を行う報告会を開催する。
(JAGATinfo編集部)
■関連セミナー
9/27・28・29開催 最新調査にみる印刷経営と戦略、設備2017【東京・岐阜・大阪】