現在編集中の『印刷白書2017』の上場企業分析では、社名もしくは特色に「印刷」とある33社を対象とした。売上高構成比を見ると、出版印刷、商業印刷を主力とする企業は少数派となっている。(数字で読み解く印刷産業2017その8)
上場印刷企業分析を30社で開始
印刷白書では2011年版から上場企業分析を行い、事業展開の特色と売上高構成比、個別業績による規模・収益性・生産性・安全性・成長性、連結業績による設備投資総額・研究開発費、キャッシュフローバランスなどを比較してきました。また、「印刷産業の経営比率と損益構成」のデータとして個別業績を利用しています。
2011年版で上場印刷企業をリストアップする際には、金融庁のEDINET業種の小分類における「出版、印刷、同関連産業」59社から28社(サンメッセ、セキ、トッパン・フォームズ、トーイン、三光産業、三浦印刷、光ビジネスフォーム、光村印刷、共同印刷、共立印刷、凸版印刷、図書印刷、大日本印刷、宝印刷、日本写真印刷、朝日印刷、東京リスマチック、ウイルコホールディングス、フジシールインターナショナル、プロネクサス、マツモト、ヴィア・ホールディングス、光陽社、平賀、廣済堂、福島印刷、竹田印刷、総合商研、以上EDINETコード順)、「紙、紙加工品製造業」から野崎印刷紙業、「その他の製造業」からカワセコンピュータサプライの合計30社を抽出しました。
2012年版では「運輸に付帯するサービス業」からアサガミ、「その他サービス業」からアイフィスジャパンの2社を追加し32社となりました。
ヴィア・ホールディングスが2013年4月に暁印刷を共立印刷に売却し、印刷業から完全撤退したことから、2014年版からは31社となりました。
2017年版では33社をリストアップ
EDINET業種は2013年度に稼働した次世代EDINETで廃止され、「日本標準産業分類」で定める33業種(東証33業種)が導入され、印刷業は「その他製品」に分類されるようになりました。
また、2015年7月にクレステック、2016年3月に中本パックスが上場し、印刷白書の上場印刷企業リストを更新する必要性が生じてきました。
そこで2017年版では、社名もしくは事業展開の特色に「印刷」とある33社を上場印刷企業として取り上げることにしました。2014~2016年版の31社との違いは、フジシールインターナショナル、三光産業を除外し、新たにナカバヤシ、中本パックス、古林紙工、クレステックを追加したことです。
印刷白書の関連資料「印刷産業の経営比率と損益構成」では、財務諸表(個別業績)から収益性、生産性、安全性等に関する財務指標を作成しています。今回は、個別業績に印刷事業が含まれない3社(アサガミ、日本創発グループ、ウイルコホールディングス)と、2017年5月29日に上場廃止となった三浦印刷を除く29社の個別業績を利用しました。
『印刷白書2017』は、『JAGAT50周年記念誌』と二分冊にして、2017年10月26日開催の「50周年記念JAGAT大会2017」で発表予定です。
限られた誌面で伝えきれないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。
(JAGAT 吉村マチ子)