伊勢丹新宿店の「クリエーターズZAKKA市」に「世界一ワクワクする印刷工場」が出展。「お客様のプリントする楽しさ、ものづくりのワクワク感に寄り添いたい」。クリエイティブディレクター 杉原 彩子さんにお話を伺った。
9月19日から24日まで伊勢丹新宿店で「クリエーターズZAKKA市」が開催された。
7F 呉服売り場の奥のスペースに会場はあった。
素敵なデザインの帽子、一点もののアクセサリー、財布、鞄が展示販売されているなか、ミマキのUVプリンターが!
そこで出展していたのは、「世界一ワクワクする印刷工場」をテーマにするHappyPrintersさん。
期間中、お気に入りの写真やイラストを持って行くと、その場でiPhoneケースやミラーなどにプリントしてくれる。
クリエイティブディレクター 杉原 彩子さんにお話を伺った。
HappyPrintersが立ち上がったのは2013年のこと。
布の印刷を手掛けていた堀江 賢司さんとデザイナーの杉原さんが出会い、「つくるを楽しみ、つくることに参加できる印刷工場を」という熱い想いがきっかけだ。
メディアの多様化に伴い、従来の印刷業が価格競争にさらされる中、もっと楽しく、ワクワクする印刷体験を提供できるのではないか?と原宿に工場をオープン。
大判インクジェットプリンター、UVプリンター、レーザーカッター、テープクリエイターなどを備え、スマートフォンケース、木材、アクリル、羽などを使った世界で一点だけのアクセサリーや、壁紙、ポスターなどが制作できる。
来店するお客さまは、プロのクリエイターやデザイナーはもちろん、友達へのサプライズ用のプリントや、デザイナーではないけれど自分でデザインしたアクセサリーをネットで販売したい方など、幅広い。
お客様の「プリントする楽しさ、ものづくりのワクワク感に寄り添いたい」。そのために大事にしていることがある。
0 自分たちは印刷物を売るのではなく、ワクワク体験を売る
1 プリントする工程や技術をオープンに
2 気軽に来れる工場に(もちろん見学だけでもOK)
3 お店に来て、相談することの敷居を低くする
(ネットからプリント発注し、完成品を送るという仕事は受けない。つくる工程に参加していただく)
4 印刷やモノづくりにまつわるワークショップなどをできるだけ多く開催
2015年には、クリエイターのデザインした布が手に入るファブリックマーケット「HappyFabric」をオープン。
1メートルから「作れる&買える&売れる」Webサービスだ。
併せて、クリエイター向けのプログラムも開始。
自分のデザインをサイトにアップすることで、デジタルファブリックを販売でき、販売価格の10%がデザイン代として還元される。
古い型紙のデジタルアーカイブにも取り組んでいる。
デジタルプリント技術を用い、古くなった伊勢型紙の意匠を誰でも再利用できるようにした。
お客さま同士が、デジタルプリンターを使った作品やアイデアを公開・共有することで、そのアイデアからさらに新しいお客さまが新しい作品を作ってくれる。
そんな楽しいつながりが生まれるお店に、つくることに参加できる世界一のワクワク印刷工場にと、今の時代だからこそできる、ビジネスとクリエイションの輪が拡がっている。
(研究調査部 小須田紀子)