2014年8月の売上高は+0.6%と2カ月連続でプラス。徐々に改善してきていた売上高伸び率の改善は4カ月ぶりに腰折れした。
しかし5月以降、売上高伸び率は前年同水準近辺(±2%前後)でのわずかな増減であり、特筆するような大きな変化はなく横ばいである。ただし消費税の影響について、実質的な売上高は増税分3%程度が上乗せされていることを割引いてシビアに見る必要があるだろう。
地域別には、甲信越静と名古屋が3カ月連続のプラスと輸出産業の盛んな中日本が全体を主導している。首都圏は2カ月連続のプラスだが、プラス幅は小さい。大阪圏は3カ月連続のマイナス。また、大阪圏以西は苦戦が長引いてる。
業種・業態別には、市商業印刷は消費税増税以降の5カ月連続マイナス。7月まではマイナス幅を縮めつつあって回復傾向を示していたが、8月は再び減速した。地方に多い業態の総合印刷は2カ月連続のプラスとなったが、例えば「中部は良くて地方は悪い」とうような単純な図式ではない。紙器・事務・その他は2カ月連続マイナス、増税後の回復は最も早かったが、その後の落ち込みも早い。
従業員規模別には、100人以上規模の中堅大型でやや苦戦、100人未満規模の中小零細が検討する構図となっている。
【印刷会社経営者の声】
・茨城:商業
デザイン・カンプ競争の案件も増えてきているが、良いことばかりではりません。価格競争も厳しいのでコスト削減も続けなくてはと考えています。
・東京:商業
販売単価を下げないと受注が難しく、受注件数の割に、売上高の追い付かない状況が続いている。
・長野:総合
顧客の課題解決をビジネスにする。ソリューションビジネスへ移行していくこと。印刷業界を含め社内外にそのことを示しつつ、数値目標の実現に向け、紙メディアとデジタルメディア双方の知識をもって顧客に提案していく。
・岐阜:その他
今年も社員研修旅行を実施する。最近はあまり流行らないと聞くが、当社では20年以上前から毎年行っている。社員同士のコミュニケーションを深める絶好の機会だ。今後も続けていくつもり。
・岐阜:総合
「ものづくり補助金」による試作品つくりを本格化させています。書類などをそろえるのは大変ですが、設備投資の一部を補助していただけるのは本当にありがたい。プロジェクトが計画通り進むよう努力していきたい。
・和歌山:商業
大手総合印刷通販会社が新工場稼働キャンペーンの一環として、新たにフライヤーの新価格を発表しました。弊社一般価格の1/7。これを脅威と捉えるのではなく、私たちの価格で売れるよう、いかに付加価値を付けるかを考えることが大切だと思います。