日本の労働人口減少への対応は、高齢者活用とともに女性活躍も不可欠とされている。
近年、人材(人手)不足倒産ということばも耳にするようになってきた。私の住む大阪市内も多くの飲食店がパート・アルバイトを募集中だ。店のあちこちに募集チラシが貼ってあり、多くの店舗が人手不足状態にある。
先日、それを裏付けるかのような体験をした。短時間にコンビニ(セブン2店舗)とマクドナルドに出向いたときのことだ。3つのお店とも私より年上の方が対応してくれた。とくにマクドナルドは、私が学生時代はちょっと敷居の高いバイトであり、だれでも働けるものではなかった記憶がある(現スタバのようなイメージか)。首都圏のコンビニでは、日本人を雇用するのもたいへんなくらい、外国人比率が高い。時代は変わった。
女性の活躍を加速させる取り組み
2016年、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、「女性活躍推進法」が施行された。この法律は、女性が職業生活において、希望に応じて十分に能力を発揮し活躍できる環境を整備するためのものだ。大企業は、自社の女性の活躍に関する情報の公表を行う必要があり、中小企業は行動計画等が努力義務となっている。いずれにしても、各企業において女性活躍の重要性を理解し、取り組みを加速させていくことが求められている。
たとえば鉄鋼業は、かつて3K職場といわれ、典型的な男の職場であった。昔の採用試験では米俵を持って走らせ合否を決めたというほどだ。この男の職場にも近年ロボット導入などにより、体力に頼らない作業が増えた結果、女性の進出が増えてきたという。また、品質検査などでは女性の方が向いているとされる。製造現場において、細かいところまで整理整頓が行き届くようになり、安全衛生面の貢献度は高い。
女性が抱く不満とストレス
職場で「男性が女性より優遇されている」と回答した女性は約半数あり男性に比べ際立って多い(東大人材開発学など調べ)。また昇進意欲に関する質問でも女性は低い結果だ。担当教授によると「女性は働く意欲が高いのに、企業の環境が悪いせいで昇進に見切りをつけてしまっている可能性がある」。また「キャリアを積む上で男女差が生じないよう組織全体で問題意識をもって取り組む必要がある」と指摘する。
さらに、働く女性は男性よりストレスを感じている割合が多い(チューリッヒ生命調べ)。職場の人間関係や待遇面への不満がストレスにつながっているようだ。年代別では40代の女性が最も高く、社内の責任と家事が負担になっていると分析する。女性のストレス発散法は「おいしい物を食べること」が最も多い結果なのでご参考まで。
最後に、管理職(課長以上)に占める女性の割合は、12.1%である(2016年度厚労省調べ)。近年、上昇傾向にはあるが政府が掲げる2020年30%という目標にはほど遠い。産業別では職場に女性が多い医療・福祉業、飲食・宿泊業などで女性管理職比率が高かった。一方、電気・ガス・水道や金融・保険業では割合が低い。
印刷業も男社会が長く続いてきたが、最近では営業職や印刷現場でも女性活躍を耳にすることが増えてきた。しかし、JAGATの各研修を見ても新入社員研修では女性が半分程度であるが、その後の研修では圧倒的に男性比率が高くなってしまう。今後の業界における女性活躍に期待したい。
(西部支社長 大沢 昭博)
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