読めて役立つ『印刷白書2017』

掲載日:2017年11月24日

特集「印刷産業50年とイノベーション」では、『印刷白書』創刊から現在までのキーワードと印刷産業の概況・環境変化・課題の推移を一覧表にした。(シリーズ『印刷白書2017』)

特集のテーマは「印刷産業50年とイノベーション」

『印刷白書2017』は、創立50周年の記念事業の一つとして、JAGAT大会に合わせて『JAGAT50周年記念誌』と二分冊で発刊しました。
印刷白書は2006年版から現在のような書籍の体裁となって、印刷関連の資料を網羅していますが、さらに2009年版から特集を設けて、資料と読み物の両立を図っています。

『印刷白書2017』では50周年記念誌と連動して、特集のテーマを「印刷産業50年とイノベーション」としました。特集プロローグでは、『印刷白書』創刊の1994年版から2017年版までのキーワードと印刷産業の概況・印刷を取り巻く環境変化・印刷業界の課題の推移を一覧表にし、資料としても読み物としても役立つようにまとめました(図表1-1はその一部抜粋です)。

この表を見ると、この24年間の印刷産業の流れがわかります。1994年のキーワードは「変革の推進」、プリプレス分野でのオープン化が進み、一方では海外生産へのシフトや雇用調整の動きが見え始めました。そして、2017年のキーワードは「継続とさらなる進化」としています。

JAGAT50年間の中でも前半の25年間は、印刷業界にとって生産性向上に費やされてきた時代といえるでしょう。そして、バブル崩壊後の25年間は、いかに付加価値をつけるかが課題になっています。「印刷産業を取り巻く環境」がデジタル化によって大きく変わり、インターネットを始めとするIT力をどう活用していくべきかが引き続き問われています。
印刷白書はそのような環境変化の中で、印刷会社が逆風に立ち向かう厳しい状況で生まれ、経営課題とその解決策を模索してきました。

3部構成で読めて役立つ白書を目指す

『印刷白書』は全体で3部5章構成になっています。第1部第1章の特集に始まり、第2部「印刷産業の動向」「印刷トレンド」「関連産業の動向」の3章で、印刷・同関連産業の現状と動向を捉えています。印刷産業以外の方にも印刷産業の全体像を理解してもらえるような構成にしています。

第3部では「印刷産業の経営課題」とし、印刷産業を取り巻く環境や産業構造が大きく変化している中で、どのようにビジネスを展開していくべきかを考察しています。地域活性化ビジネス、経営管理、クロスメディアなど印刷業界の多岐にわたる課題についても詳細に確認しています。また、デジタルコンテンツでは著作権に関する知識やコンプライアンス意識をもつことが必須であることから、著作権の項も設けました。

特集ページから最後まで一気に通して読んでいただければ編集意図が理解していただけるかと思います。
『印刷白書』は「どこを読んでも面白い」ことを目指しています。アタマから読み進めることで一つの方向性が見えてくるように設計していますが、興味のある分野のどこから読み進めてもいいようにもしてあります。

11月27日の「印刷白書発刊セミナー」では、今回の白書の読みどころなどをお話できればと思っています。ぜひご参加ください。

(JAGAT 吉村マチ子)