日常の営業活動から考える印刷業の顧客戦略

掲載日:2017年11月28日

「見積もりで負けても受注できる!」は不可能か?

印刷業の売り上げアップや業績アップの方法は様々だ。その中での営業マンの役割は大きい。多くの場合、顧客が発注する印刷物の仕様が決まり依頼されるのは見積りだ。多くの他社の競争見積りとなり、勝てば受注となる。勝つことは安いことだ。「見積もりで負けても受注できる!」 は、夢みたいな話だ。JAGATでのマーケティングや営業分野の田中信一講師の講座では、様々な角度から印刷業の日々の営業活動を顧客視点で見直し、顧客が相談したくなる営業や会社へ変革する取り組みについての提案、解説する講座がある。12月開催の「今日からできる!『提案営業』の進め方」では、印刷営業の“日々のお客様との接点の多さ”を活かして、顧客から何かと相談を持ちかけられる関係性をさらに強化し、困りごとを知り、解決策を持ちかけ、少しずつ需要を創りだすという提案営業の手法や事例解説を中心に行われる。印刷業の日々の活動の中での可能性が感じられる。キーワードは、「顧客が頼みたくなる!」である。この言葉は曖昧であるが可能性を秘めている。マーケティングと言えば、最新の手法や大がかりな業態変革などを思い浮かべるもこともあるが、日々の営業活動の改善で機会を捉えて業績UPに繋げ経営革新へ向かうことも現場視点で効果的なアプローチだ。

今さら聞けないマーケティングとセリングの違いから考える営業活動

一口に営業活動といっても、組織と個人、提案、売り込み、問題解決など様々な側面がある。営業はセールスである。印刷営業はセリング(売り込み)の概念で価値が発揮できるのであろうか。日本ではマーケティングとセリングとを混同していることが非常に多いようだ。マーケティングとは、企業にとって市場創造のため総合的活動である。顧客視点で売れるものを作り、売れるしくみをつくる一連の活動だ。セリングとは売り手が、お客様を説得し、納得させて、購入させる技術と言える。コミュニケーションを通じて発注を検討している顧客に対してクロージングをするというマーケティング活動の一部と言える。 営業活動は、マーケティングでの顧客接点としての最前線にあたる。マーケティング活動推進のポイントは組織力だ。営業は、経営者、印刷の製造現場とも連携して顧客とのコミュニケーターとしてリーダーシップ発揮するポジションだ。顧客との接点の中で、顧客視点、競合視点、自社視点のいわゆる3Cと顧客の選択、製品の差別化、経営資源の集中化である3Sの見方で「何をやらなければならないか」を決め、マーケティング活動を導くのだ。

組織力を活かす人材、営業におけるリーダー育成

マーケティング活動推進は、組織力が重要で営業活動でのリーダーがキーマンになる。営業活動の改善は厳しい。意識してリーダーシップを発揮しなければならない。企業としては、リーダーシップを持ったリーダーを育成することが肝心だ。リーダー育成は、専門能力に加えリーダーとしての心構えとスキルが必要だ。経営者は、社員の資質を見抜き育てることが重要で信じて託さなければならない。JAGATセミナー「印刷後継者・経営幹部ゼミナール」や「営業リーダーが創る戦略営業の体制づくりと組織営業の実践手順」では、企業やそのマーケティング活動におけるリーダー育成をサポートする。同じ志を持つ他社の受講者との交流も刺激的で勇気に繋がるかもしれない。

●顧客から選ばれる印刷営業 ~日常の営業活動で差をつけ相談される体制をつくる~
https://page.jagat.or.jp/contents/session/115

●印刷後継者・経営幹部ゼミナール35期(2018年6月開講)
https://www.jagat.or.jp/archives/32915

(CS部古谷)