2017年も残りわずかとなった。1年の締めくくりに、年忘れ〇〇とあるが、これは意識的に1年の苦労などを忘れることである。
網棚の荷物はどこに
私はよく置き忘れをするが、電車の網棚は難敵だ。過去にもかばんや買い物袋など多数置き忘れた経験がある。JAGATのヒューマンエラー講座では、エラーの中身をMistake(勘違い、判断違い等)とSlip(うっかりミス、つまずく等)を区別している。
他に忘れやすい事柄として多いことが、後で電話しようとして忘れる、電話の用件言い忘れる、はがきの投函を忘れるなどだ。
基本的に未来の予定を思い出すことは難しいらしい。置き忘れの理由として、慌てていたり他のことに気を取られているなどがあげられる。たとえば電車を降りる寸前まで読書やスマホに夢中になっていると発生しやすい。
エビングハウスの忘却曲線
記憶と忘却(忘れる)時間の関係を理解するには、まず「エビングハウスの忘却曲線」という実験結果がある(右図参照)。ヘルマン・エビングハウス(19世紀、ドイツの心理学者)は、3つのアルファベットを被験者に数多く覚えさせ、その記憶がどの程度の時間で忘れられていくかを実験した。その結果を、グラフ化したものが「エビングハウスの忘却曲線」だ。
この実験から、20分後に42%、1時間後56%、1日後74%、1週間後77%、1ヵ月後79%を忘れてしまうという結果が出た。結果から分かったことは、記憶は覚えた直後に、その多くを忘れてしまうということだ。こんなにすぐに多くのことを忘れてしまうのだから、傘や網棚のものを忘れてもしかたがない(ことにしよう)。
また、営業の方なら忘却曲線を参考にして、せっかくの商談が無駄にならないよう(記憶から削除されないよう)連絡を取るタイミングを決めてお客様に継続的にアプローチする必要もあるだろう。
忘れる自分をフォローする
無意識にものを置いたり、しまったりすると後で探すのがやっかいだ。置き場所を決めておくと良いのだが、ついそこいらに置いてしまう。だから机の上の書類を探すのに時間を費やしてしまうのである。ちなみに机は使用者の仕事のやり方が表れる場所ということだ(反省)。
私のように自分の記憶を信じられない方用のお助けアプリも多彩である。買うものや買うお店(場所)を登録する「買い物忘れ防止アプリ」や「お薬飲み忘れアプリ」、「スマホ連動紛失防止タグ」など、便利なツールが登場している。
最後に、安心してください。ミスやエラーは、記憶力や注意力が乏しいからではなく、人間の脳がミスを発生しやすい構造になっているからだ。脳はあてにならず、そのメモリ自体も容量が小さく書き換わりやすいので、すぐに忘れるというのだ。
とにかく、人間忘れないということは無理らしい。それより忘れることを前提に対策することが重要だ。
(西部支社長 大沢昭博)
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